遠足、弁当、膝小僧
子供というのは遠足というやつを指折り数えて楽しみにするもので。
たいきも何日も前からあと何回寝たら遠足だと言っていて、一昨日には早くもお弁当に入れる具材をスーパーで指定し初めて、まだ早いというのにかごに入れると聞かなかったりして。
そんな風に準備を整えていたのだけど。
昨日、保育園の友達と公園でぶつかって転んだらしく、両方の膝に、それはもう見るも無惨なくらい大きな擦り傷をこしらえてしまった。
痛くて一人で風呂にはいれないというので、昨日は一緒に風呂にはいった。
お湯がちょっとかかると痛い痛いと泣きそうな顔をする。
折れたわけじゃないから歩いたり走ったりできないわけじゃないけど、やっぱり痛いものは痛いらしい。
どちらの膝小僧も、大きな擦り傷を見てるだけでもこっちもつらい。
かわいそうなことになってしまった。
一夜開けて、朝はたいきに起こされて目が覚めた。
『おとうさん、おべんとうつくるんでしょ!』
まだ普段起きなきゃいけない時間より2時間、普段起きる時間よりも1時間以上早い。
まあでも起きちゃったものは仕方ない。
もう一度寝かせる時間でもない。
しかたなく起きて、弁当を作り始めるとたいきはソファに寝っ転がってYouTubeを見始めた。
のはなが起きてきて、お弁当を見せてという。
抱っこして作りかけの弁当を見せると
『はーちゃんも!』
そりゃそうだ。
あとはもう、水筒を見ても
『はーちゃんも!』
おしぼりを見ても
『はーちゃんも!』
何を言っても頑として聞かず。
おしぼりのケースを両手で抱えて離さない。
どうしようかなと思っていたらたいきが
『のはなちゃんはあしたえんそくだから、きょうはたいちゃんのだよ』
と優しく諭すと、のはなは壮絶に悲しそうな顔をしながらではあったけれど、ちゃんとそれを自分から返してくれた。
同じことをお父さんもお母さんもいまここで何度も言ったんだけどなぁ。
たいきのいうことは比較的聞くのだ。
のはなの成長でもあるし、でもたいきの力?なのかもしれない。
とにかく無事お弁当は完成して、ちゃんとリュックに入れて、たいきはそれを背負って家を出ることができた。
家を出ると、まあちゃんと歩けはするようなのだけどやっぱり少し膝が気になるならしい。
そういう素振りもするし、いつもみたいに走り出さない。
昨日は半ズボンだったけれど、半ズボンだったから怪我をしたのだという本人の訴えに従って、今日は長ズボンなのた。
案外それがすれて痛かったりするのかもしれない。
うーん。
どうなんだろう。
普通に歩けてはいるんだけど。
せっかくの遠足なのになぁ。
しかしそれはそれとして。
痛くて走れないとかなら先生にもあらかじめ言っとかなきゃならないから、様子は確認しとかなきゃ。
「たいき、やっぱり膝が痛いの?いつもみたいに走ってもいいんだよ?」
するとたいきが眉根をひそめて、諭すように私にいった。
「いたくはないけど、おべんとうがしんぱいだからきょうははしらない」
ごもっとも。
楽しい遠足になりますように!

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