のはなは2歳になって階段の壁飾りに気づいた
階段を降りるのはなの後頭部を見つめていた。
髪がもじゃもじゃ。
るるちゃんみたい。
左手にアンパンマン。
右手は手すり。
降りるのもずいぶん早くなった。
のはなが階段の半ばで足を止めた。
目の前の壁を指差して、こちらを振り返る。
「みってー?」
そこにはルミエールのぬいぐるみがぶら下がってる。
のはなは自分の鼻を指差して言った。
「おっきいねー」
どうも、ルミエールの鼻が大きい、といってるようだ。
「うん。ルミエールはお鼻が大きいねぇ。」
のはな納得したようにひとつこくんと頷くと、また階段を降り始めた。
ふふ。
ルミエールはもうだいぶ前からそこにいたのだ。
のはなは今日それに気づいたのか。
階段を降りるのに前を見る余裕が、今日はあったのだ。
階段でも、道でも、だんだん歩きながら回りを見ることが出きるようになってくる。
自分で歩くのも楽しくなってくるだろう。
成長、成長。

ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません