デイヴィッド=バーナードの第九
ベートーヴェンの第九って、実はすごく軽い音楽なのかも知れない、と最近思うようになった。
いや、もちろん基本的には70分以上あるし、重厚長大だし、ベートーヴェンだし。
今まで私が聞いた第九といえば、フルトヴェングラーから始まって、フォン=カラヤン、ブルーノ=ワルター、レナード=バーンスタイン、小澤征爾、あたり。
もちろんとことん重いフルトヴェングラーみたいなのはそれはそれとして、そうでもないとはいえ他の巨匠たちもしっかり重厚に演奏するのだ。
しかし最近、久石譲がブラームスやらベートーヴェンやらの交響曲を片っ端から録音していて、これが随分軽い。
それから、軽いのとは少し違うけど、グスターボ=ドゥダメルのベートーヴェンやマーラーなんかも聞いて、その底抜けに明るい情熱的な演奏にも感銘を受けた。
ってことは、だ。
第九をもっとあっさり、なんならモーツァルトですけど、くらいの顔で演奏している指揮者が一人くらいいたってバチは当たらないはずだ。
そろそろそういうのがいていいはずなのだ。
Amazon Musicで検索してみる。
Beethoven Symphony 9。
なんと100毎以上のアルバムが出てくる。
なんだかんだ言って2−30枚くらいはカラヤン(ただし、カラヤンの第九の録音はそもそも10種類くらいはある)。
知ってる指揮者の名前が並ぶ。
うーん。
ショルティ、サイモン・ラトル、トスカニーニ…
見慣れない名前もたくさん。
中に「David Bernerd」という指揮者の名前があった。
いかにもアメリカ人っぽい軽さ。
オーケストラは「Park avenue Chamber Symphony Orchestra」だ。
これまた軽そうな名前。
いいじゃないか。
実際聞いてみると、ちょっともっさりしたところもあるし、合唱付きの大四楽章はどうしても重厚な感じになってしまうきらいはあるけれど、十分軽妙と言っていい演奏だった。
Wikipedia日本語版には載っていなかったけれど、英語版Wikipediaを見ると、やっぱりアメリカで何度もコンクール優勝を果たしているらしい。
オーケストラは彼が率いるオーケストラらしく、きれいにアンサンブルが響いていて、悪くない。
今度、たいきの寝かしつけで使ってみようかなと思う。

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