いずれできるようになるかもしれないからとにかく待つのだ
「お父さんとお着替えしよう」
『かーかん』
まあ、ここまではテンプレ。
野球はツーアウトから。
YouTubeを見ながら着替えさせるとか、なんかおかあさんといっしょのお兄さんみたいなテンションで話しかけて巻き込むとか、なんとかして着替えさせたい。
すぐあきらめてお母さんにお願いすることだってもちろんあるけど。
それはそれでいいのだ。
忙しければお母さんだって断るし、そうじゃなければのはなの希望を叶えてやったっていいのだ。
なんでもかんでも無理にやらなきゃいけないわけじゃない。
どうしようもないときは、泣き叫ぶのはなをくるくる回しながら着替えさせることもある。
たいきもそういうことはあった。
それはそれなのだ。
で、それはそれとして。
のはなは今、全部自分でやりたいのだ。
ズボンを履かせようとすると怒る。
自分で履ける、というわけだ。
仕方ないので見ている。
片足を、ズボンの片方の穴に入れる。
もう一つの足を引っ張ってきて、ズボンを一生懸命引っ張って、入れる。
さっきと同じ穴だ。
のはなはとにかく今の足を入れたくて仕方ないので、さっきの足は追い出してしまう。
片足入った状態が出来上がった。
そして、ズボンを一生懸命回して、また残りの足を入れる。
同じ穴。
先に入ってた足が追い出される。
ズボンを回す。
足を入れる。
追い出す。
回す。
おい。
これ千日手だ。
一生終わらないぞ。
さすがにそろそろ手を出そうか、それとももうしばらく待とうかなどと思ってみていたら、5回めだったか6回目だったか。
とにかくさっきまでよりもずっと慎重に、丁寧にズボンを上げて。
とうとうのはなが両方の足を別々の穴に通した。
得意満面、こちらを向く。
シャツも靴下もそんな感じ。
とにかく待つ。
自分では無理と思うと、ちゃんとお願いしてくることもある。
これ全然無理じゃんと思っていても、しばらく見ているとできてしまったりもする。
とにかく待つことが必要な時期というのはある。
どんなにイライラしても、というわけでもなく、朝なんかは時間がないけど限界があるけど。
とにかく待つのだ。

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