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北声殺伐

日記

朝、保育園に行くと執行役員さんがいてびっくり。

先日のスーツ姿ではなくラフな格好だったので、今日はここのほかも含めて現場周りでもしているのだろうか。

子どもたちが威圧感を感じないための配慮かもしれない。

もちろん、一番の目的は私と会うためだということはわかっている。

駄目押しということだと思うけど、こちらが安堵した気持ちになったのは間違いない。

感謝。


お迎えに行くと、たいきものはなも元気だった。

同じように元気なお友達三人と一緒に帰る。

のはなはどうしてもベビーカーに乗ってくれなくて、抱っこ。

まあ重い。

はしゃぎまわるたいきが道路に飛び出さないように気を使いながら、ベビーカーを片手で押して、片手で抱っこだ。

しばらくはこんな感じだろう。

なに。

あと数ヶ月もしたらベビーカーも使わなくなる。

のはなももっと自分で歩くようになる。

この大変さを懐かしむ日がかならず来る。

だから、腕が痛くても腰が痛くても、いいのだ。


たいきがお友達に正面から突っ込んでいって、お友達の頭に顔面から激突した。

そして急にテンションが下がった。

お友達はそのままはしゃいで走っていってしまう。

たいきは私の横をとぼとぼ歩く。

顔は見えないけれど、落ち込んでいるのは横からでもわかる。

「痛かったの?」

『うん』

答えて、少し涙ぐみ始めたようだ。

そこにもうひとりのお友達が走ってきた。

「あ、たいちゃんはなじでてる!」

なんと。

その子にお礼を言いながらたいきの顔を見ると、右の鼻からつーっと鼻血がたれていた。

ティッシュもないし、口ふきタオルみたいなものも持ち合わせていない。

しかたないのでさっきまでたいきがつけていたマスクで鼻血を拭いて、とりあえずもう一度マスクを付けさせた。

「鼻血が垂れてきちゃったらマスクで押さえてね。」

たいきはもう、今にも泣きそうだ。

気持ちが落ち込んで、立ち止まってしまって歩けない様子。

しかしのはなを抱っこしているので、たいきを抱っこしてやれない。

「たいき、ベビーカーに乗る?」

『うん』

いったん抱っこしてるのはなを下ろして、たいきを抱き上げてベビーカーに座らせる。

耐荷重15kgだった気がする。

たいきは多分18キロくらいあるからオーバーしてるけど、なんとかきしんだりはせずに動かすことができた。

ほっとしながらのはなを抱っこすると、今度はのはなまでベビーカーに乗りたいと騒ぎ始めた。

やれやれ。

たいきと一緒がいいのだ。

「のはなさん、ごめんね。二人一緒には乗れないんだ。」

なんとかぐずるのはなをなだめながらまたあるき始めた。

お友達とお父さんたちはその間待っていてくれた。


それぞれの家路に別れて、たいきとのはなと三人になった。

どうも最近イライラしてばかりいて疲れてしまった。

何もしていなくても自分が殺気立っているのがわかる。

自分の殺気で自分がつかれるのだから世話はない。

「ゆーやーけーこーやーけーでーひーがーくーれーてー」

何とか気持ちを抑えながら歌う。

歌でも歌っていないと叫びだしそうだから歌うのだ。

しかし、我ながらひどい。


中島敦の「弟子」の中で子路が(琴)を弾くのを聞いた孔子が「殺伐激越(とげとげしててひどい音だ)、荒怠暴恣(なすべきことをやらずわがまま放題)の心状が現れている、これこそ北声(優雅でない地域の音)だ」と言う話がある。

私の歌を孔子が聞いたらこの時と同じことをいうだろうなと思う。

恥ずかしくてたいきとのはなの顔が見られない。

子路に、孔子の言葉を伝えた弟子がいる。

ちょっと誰だったか覚えていないけれど顔回や子貢ではなかったと思う。

子路や悩みに悩んでやせ細ってしまうまで悩み抜いた挙げ句、よし、こういうこともかもしれないと何かを悟って、再び琴を弾く。

今度は孔子ななにも言わない。

そこでまたその弟子だか他の弟子だかが子路にそのことを伝えると、子路はほっとして笑うのだ。

子路、気持わかるぜ。

私は子路ほどの乱暴者ではないと、自分のことを思いたいけど。

残念ながら彼ほど真面目でもないので、この件でやせ細ったりもしない。

しかし中島敦は慧眼だ。

その伝えた弟子は、ちゃんとわかってるというのだ。

つまり、何をわかっているのかと言うと、子路の音は良くなってなどいないのだけど、やせ細るほど悩んだ子路を哀れんで孔子が何も言わなかったということを、だ。

そう言われると嘆息してしまう。


そんなことを考えながら一生懸命歌う。

二番まで歌い終わると、たいきが元気よく

『もういっかい!』

と言ってくれた。

そうかそうか。

こんな歌でももう一回と言ってくれる息子がいるのだ。

のはなもおとなしく聞いてくれている。

なんともありがたい。

そう思いながら、街灯を頼りに家路を歌いながら帰った。

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