森喜朗元首相を嫌いなわけ
とある上場企業で総務の責任者をやっていたときのこと。
総務というのは、結構多くの会社で代表電話がつながる先になっていて、その会社もそうだった。
で、一本の電話を部下がとった。
「森だけどね、会長いる?」
会長というのは、その上場企業の創業者だ。
「会長いる?」
と聞かれて
「はい」
とか
「いいえ」
とか答えることができるようなものではない。
株主からの電話だったら、いないといえば
「代表のくせに平日会社にいないなんて」
と言われるかも知れないし、いるといえば代われと言われてめんどくさい。
もちろんおいそれと電話をつなげるような立場でもない。
普通、会長の知り合いだの友達だのというレベルの人にはちゃんと秘書がいて、秘書から秘書に連絡をしてお互いに連絡を取り合ってから話をつなげるのがマナーなのだ。
実際、会長の教え子だという某○天のM木谷さんにアポを取ったときだってこちらは先方の秘書室に連絡をしたし、他の会社の社長さんたちだってそうするのが当たり前だった。
「どちらの森様でしょう」
「森と言ったら森だよ。会長はいないのか。」
「申し訳ございませんがお答え致しかねます。」
信頼できる部下だった。
100点満点の答えだったけど。
なにかごねているということで、また、会長の友達の森と言ったらあの人かなという心当たりがあったので、秘書室に繋げさせた。
「何だお前のところの会長は総理大臣より偉いのか」
とかなんとか言ったらしい。
そう。
元首相の森喜朗だった。
私はこれでこの人のことを一発で嫌いになったし、後で聞いたら秘書室でも嫌われていた。
そういう人なのだ。
JOCの女性理事を増やすとかで。
「女性はみんな発言したがるから会議が長引いて困る。」
というようなことを森喜朗が口走って炎上しているようだ。
本人は炎上していることなんか知らないんだろうけど。
あの高圧的な森喜朗がいる会議の場で発言できる人は多くないのかも知れない。
そんな雰囲気の会議でもちゃんと意見を述べてくれるのが女性ばかりなのであれば、たしかに今世の中でエグゼクティブに女性を増やすべきだとしている方針は正しいということになる。
会議というのは発言するために参加するのであって、発言しないのであれば理事として選ばれている価値はないし、そんな人は後で配られた議事録でも読めばいいのだ。
多分一事が万事こんな感じなんだろう。
実際、彼を嫌っている人は多いんじゃなかろうか。
意外と、オリンピックが潰れればいいのにと思っている人が、彼の周辺には多いかも知れない。
森会長の女性理事についての発言は以下の通り。
https://www.asahi.com/articles/ASP235VY8P23UTQP011.html
これはテレビがあるからやりにくいんだが。女性理事を選ぶというのは、日本は文科省がうるさくいうんですよね。
だけど、女性がたくさん入っている理事会は、理事会の会議は時間がかかります。これは、ラグビー協会、今までの倍時間がかかる。女性がなんと10人くらいいるのか? 5人いるのか? 女性っていうのは競争意識が強い。誰か1人が手をあげていうと、自分もいわなきゃいけないと思うんでしょうね。それでみんな発言されるんです。
結局、あんまりいうと、新聞に書かれますけど、悪口言った、とかなりますけど、女性を必ずしも数を増やしていく場合は、発言の時間をある程度、規制をしていかないとなかなか終わらないで困るといっておられた。だれが言ったとは言わないが。そんなこともあります。
私どもの組織委員会にも女性は何人いたっけ? 7人くらいか。7人くらいおりますが、みんなわきまえておられて。みんな競技団体からのご出身であり、国際的に大きな場所を踏んでおられる方々ばかりです。ですから、お話もシュッとして、的を射た、そういう我々は非常に役立っておりますが。次は女性を選ぼうと、そういうわけであります。

【関連】
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません