感無量すぎて何も言えない
いつものようにのはなに夕ごはんを食べさせていたのだけど、どうもいまいち食事に集中しない。
味噌汁の豆腐で遊ぼうとするし、口いれたものはしばらく噛んでいても米以外は吐き出してしまうし。
水を飲みたい、牛乳を飲みたいと、ご飯越しに手を伸ばす。
機嫌はすこぶるいいようだけれども、早い話が食欲が無いのだ。
体調は決して良いとは言えないだろう。
今日は何度か熱を測ったけれど、2回、37.5度を超えていた。
本人は自覚はないだろうけど、いつもの3倍ぐらいお昼寝もした。
やれやれ。
せきをし始めて10日。
そろそろ治るかと思っていたら、むしろいよいよ本格的になって来た。
ひょっとしたら、花粉症とかで、初めてのことなのでアレルギー反応が過剰に出て熱が出てるとか、そういうことかもしれないらしい。
いずれにせよ、せきをしているのはなを見るのは辛い。
明日の朝、また医者に連れて行こうと思う。
10日前は鼻水で受診して、一昨日せきが加わって、明日は熱もだ。
そろそろPCR検査しようとか言われるかもしれない。
のはなのご飯が遅々として進まないうちに奥さんも食事を終えて、バトンタッチしてくれて、奥さんもあの手この手で苦戦しながらもなんとかご飯を少し食べさせてくれて、まあこんなもんかというところでごちそうさま。
さあ、薬を飲ませようか、どうしようか。
とりあえず奥さんが、義実家とLINEで通話。
孫に会えないでいるじーじとばーばに二人の様子を見せてやるととても喜んでくれた。
たいきはLINEで通話できるようになったのは、なんだかんだで3才になってからだった気がするけれど、のはなはもう上手にビデオ通話ができる。
ちゃんとお母さんのiPhoneの画面に向かって愛想を振りまく。
「ばーば」
なんてちゃんと言えて、ばーばはたいそう喜んだようだ。
最後、スマホを向けられたのはなが一生懸命バイバイをしながらせきをし始めた。
中々止まらない。
とりあえずそのまま通話を切る。
あ。
これやばいやつかも。
と気づいたのは奥さんのほうが早かった。
奥さんの様子がちょっと変わったので私も、あ、と思ったときには、のはなはむせすぎて嘔吐していた。
昨日に引き続き2回め。
薬を飲ませる前でよかった、というのはひどいかもしれないけれど、とりあえずそれはそれとして率直な感想だ。
とにかく抱いてやると、機嫌はすぐになおった。
いつもよりだいぶ早いけれど、風呂に入れてしまおうということになった。
いつもはもう少し遅い時間で、のはながうんちをして、そのおむつをとってやってそのまま風呂に連れて行く。
今日はまだうんちはしていない。
いつもはのはなを抱っこしていくのだけど、珍しくたいきが私に抱っこで連れて行ってほしいと抱きついてきたので、のはなを連れて行くのは奥さんにお願いしてたいきを抱いて風呂場に行った。
脱衣所でのはなを受け取る。
狭い空間にたいきとのはなと私の三人。
わちゃわちゃになる。
たいきがなにかはしゃいで騒いでいるけれど、とにかく手順というものが有る。
相手をしてやれなくて申し訳ないけど、まずはのはなをはだかんぼにして、それからたいきだ。
のはなの服を脱がせ始めて、すぐに気づいた。
うんちだ。
「のはなさん、うんちしてる?」
のはながうなずいた。
おむつを覗き込むと、結構ゆるいうんち。
「ありゃ。結構下痢だね。」
どうしよう。
えーと。
服には漏れてなさそう。
おしりを拭くか、いや、もうこのままおむつでざっと吹いてシャワーで流すか。
えーと。
ちょっとパニック気味に悩んでいると後ろにいたたいきが
『おとーしゃん、ちょっとまっててね!』
といってリビングの方にかけていってしまった。
止めるひまもないし、まあいい。
とにかくうんちをなんとかしてから奥さんにつれてきてもらうなり呼ぶなりしよう。
いまはたいきどころじゃない。
とりあえずのはなの服を脱がせて、おむつを取る。
えーと。
このおむつ、どうしよう。
と一瞬悩んだところにたいきが帰ってきた。
『おとーしゃん!これでしょ!』
え?
なんだ?
もう、いまちょっと忙しいんだけどと思いながら振り返って見ると、その手に持っているのはうんちのおむつを入れるピンクの袋とおしりふき。
うわぁ。
まじか。
たいきはリビングに、おむつの処理セットを取りに行ってくれていたのだ。
「それ!たいき、ありがとう!」
『これがいるだろうとおもって!』
なんともはや。
頼りになる。
たいきが勝手にちゃんと考えて助けてくれた。
しかもそれが今必要なことど真ん中ストレートのどストライクだった。
もう。
感無量すぎて何も言えん。
たいきだってまだおむつしてるのに。
うれしいなぁ。

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