子供の前でけんかをすることについて
ちょっと最近悩んでいることがある。
悩んでいるというか、考えあぐねている、というのかな。
それは、子供の前で上品な顔だけしているのが、果たして子供にとって良いことなのかどうかということ。
あ、先に言っておくけど、考えあぐねていることについての記事なので、この記事には結論はない。
だから読んでももやもやすると思う。
なんなら、答えを知っている人、なにか一緒に考えてもいいと思った人はコメントでも残していってほしいと思う。
で、だ。
「子供の前で上品な顔だけしているのが、果たして子供にとって良いことなのかどうか」というテーマには色んな意味合いがあると思う。
もちろん面前DV(子供の前で配偶者に一方的に暴力を振るう)なんてもっての外だし、子供に暴力を振るうとか暴言を吐くなんて言うのは論外だ。
それは前提。
他にも、自分を抑えて生き続けることによる自分のメンタルヘルスの問題とかも当然あると思うし、ストレスとしてそれを抱えすぎて子どもに接するのが苦痛になるというような人もいるかもしれない。
ただ、今私が考えているのはそういうことではない。
私が悩んでいるのはこういうことだ。
つまり、子供がそろそろ、あるいはもう少し大きくなったときに、友達と喧嘩したりやなんかする。
あるいは、嫌なことをされたりする。
そのときに強く「やめろ」という言葉を口に出せるかどうかというのはとても大きいことだと思うのだ。
私は、奥さんにも子供にも「やめろ」とは言わないし、「だまれ」とも言わない。
「ふざけんな」とも言わないし「てめぇこのやろう」とも言わないのだ。
もちろん奥さんもそんな言葉は口にしない。
果たして、このまま小学校なんかに入って急に人間関係が広がったときに、そういう言葉を日常的に使うような家庭環境で育った子達と渡り合えるのか。
みたいなことを考えているのだ。
使ったことのない言葉、言われたことのない言葉は使えないかもしれないという懸念だ。
一方で、いじめられている人は何かしらの精神不安を抱えている人である説というのがあって、問題のない環境で十分に愛情を注がれて育てば、そもそもそういったいじめの対象にならないのではないかという考えもある。
それであれば、そんなことを悩む必要はないのかもしれない。
もちろんヒーローもののアニメなんかで結構そういう言葉は使うから、どう育てようが、それでそういう言葉を覚えたりするのかもしれないし、使えるようになってしまうのかもしれないのだけど。
あまり書きたくないのだけど、最近奥さんとケンカをした。
我ながら悪かったのだ。
奥さんがものすごく怒った。
で、結構大きな声を出した。
まあ、時間にしたら15秒くらい。
うちのケンカは相変わらず短いのだ。
今回は私も色々自分の気持ちを整理したりどう謝罪すべきか考えたりするのに時間がかかってしまって、その後もなんだかんだちゃんと落着するまでにはまる一日かかったけれど。
そんなことはどうでもいい。
その、奥さんが私に大きな声を出したのをたいきは見ていたので、たいきと二人のときに聞いてみた。
「さっきお母さん怒ってたでしょ。怖かった?」
これで怖かったと言うなら、私は奥さんに対して申し訳ないのと同じくらい、いや、その三倍くらいのテンションで、たいきの前で奥さんにケンカを売ったことを大いに反省しなければならない。
『おとーしゃんにおこってただけだから、こわくなかった』
そうか。
表情を見ても、屈託がない。
よかった。
まあ、一応フォローする。
「お父さんがすごくいけなかったからお母さんに叱られちゃったんだ。お父さんはごめんねって思ったよ。」
たいきは笑ってうなずいた。
ケンカと言っても、色々ある。
私が奥さんに大声を出したりしても奥さんは負けてないかもしれないけれど、やっぱり声の大きさ、体の大きさ、態度の大きさからしたらそれはDVだろう。
奥さんが怯えたり怯んだりするようであればその色彩はより濃くなる。
それは、子供の前で見せていいケンカではないと思う。
でも、奥さんが私に大きな声を出すのは、多分だけど、傍目には暴力的な関係には見えないだろう。
なぜなら私は男で体がでかくて、奥さんは女で体が大きくないからだ。
その状態で、奥さんが私に大きな声で何かを言うというのは、子供に見られてもそこまで悪いことではないような気がする。
もちろん私が卑屈になったり泣き出したりしたら、それはいいことではなくなるだろう。
でも、そのときに私が毅然とその言葉を受け止めて、毅然と謝るというようなことができるのであればどうだろうか。
むしろ、ある程度感情を表に出して会話することが、大人でもあるのだ、というサンプルにもなるかもしれない。
そんなことを考えたりもしている。
まあ、そもそも大好きな奥さんと夫婦喧嘩なんてしたくない、ということは別の話として、だ。
ケンカの詳細は恥ずかしいので書かない。
一応私のフォローにたいきがうなずいたあと
「お父さんはお母さんのことが大好きなんだ。お母さんもお父さんのこと好きかなぁ。たいきはどう思う?」
と聞いたら、たいきが
『ちょっとまってね。きいてくるから』
といって、止めるまもなく私の部屋を出ていってしまった。
おいおい。
まだケンカ中なのだ。
嫌いとか言われたらどうしよう…ショックで立ち直れないかもしれない。
あるいはそんな質問をたいきが持ってきたことに怒られたらどうしようとか。
いや、そこはやっぱり好きって言ってくれるんじゃないかとか期待したり。
本当に聞くのだろうかと思っていると向こうの部屋からたいきの元気な声が聞こえてきた。
『おかーしゃん、たいちゃんのことすき?』
なるほど。
そこからはいるのか。
奥さんの声は聞こえないけれど、もちろん「大好きだよ」とかなんとか言ったんだろう。
『それじゃあねえ、おとーしゃんのことは?』
耳をダンボにしても奥さんの声は聞こえない。
ドキドキしながら待っていると、たいきが帰ってきた。
そして口を開いてこういった。
『わからないって』
うちの奥さんは優しいのだ。
ありがたや。
ありがたや。

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