最後の日(ごろーんで洗髪)
もう、かなり前から悩んでいた。
いつまでたってもたいきの頭を洗うのに、たいきを膝の上に寝かせて、顔に水がかからないようにしながら洗ってやっていたのだけど。
のはなは最初から頭にシャワーをぶっかけるスタイル。
たいきはどうしても「ばしゃーん」が無理。
しかしもう4才。
3才の時から「4才になったら」って言ってたのが、誕生日も過ぎてしまい「ハロウィンを過ぎたら」とも言っていたのだけど、それも過ぎてしまった。
昨夜は奥さんがたいきと一緒にお風呂に入ってくれて、とうとう「ばしゃーん」で頭を洗ったらしいということで、今夜から私もと心に決めた。
決めたはいいけれど、とにかくたいきは拒否。
「今日からはもうごろーんでは頭洗わないよ」
と言ったが最後、風呂場の一番向こう側に座って、近寄ろうともしない。
「だってもう、だいぶお兄ちゃんになっちゃったからさぁ。もうごろーんでは洗えないんだよ。」
とにかくできないの一点張りで根競べ。
「おとうしゃんずっといじわるだからきらい」
「もうおとうしゃんとはでぃずにーらんどにもいかない」
「おとうしゃんはくまもといくのもきんし」
「おとうしゃんがつくったごはんはたべない」
とにかく色んなことを言う。
でもどうせ、いつかやらなきゃしょうがないのだ。
ひたすら根競べして、とうとう洗うことに成功した。
たいきは泣きながら
「おかあしゃんはこれ(茶色いタライ)でばしゃーんしたけど、おとうしゃんはこれ(茶色いタライ)はいっかいだけ!あわあわしたらこっち(白いタライ)でにかいだよ!」
と、よくわからないけどまあ受け入れ可能なルールをその場で決め、私はそれに従ってたいきの頭を白いタライで洗い流した。
やってみれば呆気ないもの。
明日からはこれで行くんだろう。
たいきが生まれて1500日くらいだから、多分たいきの頭を膝の上で洗ってやったのは700回とか、800回とかかなぁ。
一昨日がその最後の日だったというわけ。
そう思うと、なんかさみしいなぁ。
4才と言えば、ひとによってはそろそろ一人でお風呂入らせたりもするらしい。
それも少したいきに言ってみた。
「そろそろたいきも一人でお風呂入れるかな」
たいきは泣き出してしまった。
『たいちゃんはまだこどもだからしゃみしいよ。こどもがひとりでおふろにはいってると、おばけのせかいへとんでいけーってちゅれていかれちゃうんだよ』
そうかそうか。
まさか泣くとは思わなかった。
申し訳ない。
ひとりでお風呂、はしばらくお預け。
なんとなくほっとする。
まだまだたいきと一緒にお風呂には入りたい。
どうせまだまだのはなとも一緒に入るのだし。
いつか、これも最後の日が来るにせよ、今じゃなきゃいけない理由は何もない。
もうしばらくたいきに甘えさせてもらおう。

ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません