のはなとたいきの絆
のはながiPadを自分の足の上に落とした。
YouTubeを見ていて、自分で操作できないトラブルが発生するとこっちに持ってくるのだ。
足の上に落とすのはそんなに珍しくないのだけど、いつもより泣きかたが強かったので、足を見ると皮がむけてしまっていた。
痛そうだ。
とりいそぎ痛いの痛いの飛んでいけをしてやって、抱擁して頭を撫でてやると大分落ち着いたのだけど、とは言えグスグスいっている。
隣でYouTubeを見ていたたいきに
「たいき、のはなさんが怪我しちゃったから、絆創膏をもらえるかな」
と聞いてみた。
YouTubeを見ているときは何を話しかけてもなかなかこちらを向いてはくれないのだけど。
たいきは
『え?どこどこ?』
と言って見にきてくれた。
『うわぁ、痛そうだねぇ』
そう言うとたいきは薬箱に飛んでいった。
戻ってきたたいきはキラメイジャーの絆創膏を持っていた。
うっかりすると、私がさわっただけで怒られるやつだ。
『たいちゃんがはってあげるね!』
たいきが覚束ない手付きで絆創膏から台紙をはがして、のはなの足の親指に貼ってくれた。
のはなも痛いに違いないのだけど、たいきが一生懸命絆創膏を貼ろうとしている間、不思議と泣くこともいやがることもなく、おとなしくしてじっとたいきの手元を見ていた。
たいきの行動が思いやりなのか何なのかわからないけど。
こうやって兄妹の絆が生まれ、少しずつ深まっていくのだろうか。

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