4才のイニシエーション
とうとう、たいきは4歳になった。
魔の2才、悪魔の3才。
乗り越えてきたことになるけれど、まあ実際のところそんな感じはしなかった。
うまくやれている、ということなのか、育てやすい子だ、ということなのかはわからない。
単にたいきに甘いからかもしれない。
2才とか3才とかっていうのは、それなりにしゃべれるようになるし、それなりに自分でいろいろやれるようになるし、それなりに自分でやりたいことが出てくる年だ。
その割に、実際には言葉も理屈も通じなかったりする。
親としては会話風なことはできるからいろんなことを要求したくなるけど、それを理解して従うほどは成長していない。
つまりいやなものはいや、という年なのだ。
その辺のミスマッチが「魔の2才、悪魔の3才」なんて言葉を生み出しているのかもしれない。
たいきの誕生日プレゼントは、絵本だのバスボールだのたくさんばーばと義妹からもらったし、奥さんも買ったゾイドの「ゼロファントス」を買ってきてくれた。
しかし何より、奥さんが買ったソフトブロック500個が圧巻だ。
中ぐらいの段ボール箱いっぱいのソフトブロック。
床にぶちまけるとリビングの4畳半ぐらいのスペースがブロックで埋め尽くされる。
今日はみんなでブロックについてきた説明書のようなものに載っていた、数十個ブロックを使って作る大きな家やら城やらを作って、たいきがそれを、義妹から誕生日プレゼントにもらったゴジラのフィギュアで徹底的に破壊する、という遊びをやった。
私はこういう創作活動というのは本当に苦手なので、作るのはとてもつらかった。
そして壊されるのもなかなかつらかった。
でもまあ、壊されるために作っているのだ、と思えば腹も立たない。
というか、事実、壊されるために作っていたのだけど。
先週買ってきたプール遊びもした。
のはなは前回プールが長すぎて体調を崩したので、今日は30分くらいでおしまい。
たいきは2時間ぐらいプールで遊んでいた。
お風呂では顔にお湯がかかるのは絶対に拒否なのに、プールだと大喜びで全身を投げ出す。
水のかけっこをしようというので体にも頭にもばしゃばしゃ水をかけてやったけれど、全然嫌がらない。
げらげら笑って喜んでいる。
よくわからない。
3年間。
いや、4歳になったってことは4年間か。
ずーっとたいきの頭を洗うときは膝の上に寝転がらせて、美容院で頭を洗ってもらうみたいなやり方で洗ってやってきた。
もう、さすがにそろそろ頭からお湯をかけられるようにならんと。
ということで、数週間前から「4歳になったら頭からばしゃーんするよ」と約束してきた。
しかし、いやがる。
だめ。
いや。
きらい。
にがて。
あらゆる知っている言葉を駆使して拒否。
5分か10分かわからないけれど押し問答が続く。
嘘ついてだまし討ちはいやなので、とにかくこちらも引かない。
「いつまでも赤ちゃんの洗い方していると、あれ?あの子は4歳になっても赤ちゃんなんておかしいぞ?お化けの仲間かな?ってお化けがやってきてお化けの世界に連れていかれちゃうよ」
という理論を展開してみたけれど、やっぱり無理。
まあ、とにかく納得はしてないけれど根負けしたたいきが不承不承頭を洗わせてくれたので、そのまま勢いを駆って、たいきに下を向かせてシャワーで頭を流してやった。
まあ、そこからはとにかく悲惨というか、阿鼻叫喚というか。
とにかくたいきは泣き続け、怒り続け、叫び続けた。
風呂から上がっても一切体をふかせてくれない。
お母さんが状況を察して出て来てくれて、たいきをなだめながら服を着させてくれた。
その間もずっと
「おとうしゃんきらい!ばしゃーんはいや!おとーしゃんとはもうあそばない!」
どうにもならない。
寝かし付けをしてくれた奥さんから
「明日は保育園、一緒に行ってくれないかもよ」
「おとーしゃんはきらい、って、寝言で言ってる」
うーむ。
困ったなぁ。
保育園はなんとか一緒に行ってもらうとして。
お風呂はもう入ってくれないかなぁ。
まあ、ばしゃーんは当分しないということにせざるを得ないかもしれない。
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