たいきはカプラを積み上げた
保育園にお迎えに行くと、先生がいそいそとiPadを持って来て話しかけてきた。
たいきが0歳の時からお世話になっている先生だ。
『たいきくん、今日、ひとりでカプラをすごくたかくつみあげてたんですよ!』
カプラっていうのは、ジェンガのでかいやつというか、かまぼこ板の薄いのをたくさん積み上げる、積み木みたいなおもちゃ。
井桁の形に積み上げていくことで、どんどん高く積み上げられる。
最近お迎えに行くと、6才児とか5才児とかのお姉さんやお兄さんがよく遊んでいた。
結構、1m以上の高さに積み上げてたりして、感心する。
先生が見せてくれた写真を見て心底驚いた。
たいきの身長の1.5倍くらいに積み上げられたカプラ。
たいきがその横で椅子の上にのって、手を高く伸ばしてさらに上にカプラの板を乗せようとしている。
「え?これをたいきがひとりで作ったんですか?」
「そうなんですよ!」
「え?先生とかお姉さん達が一緒にやってくれたんじゃなくて?」
「たいきくんひとりで作ったんです!」
にわかには信じられない。
疑うわけじゃないけど、信じられない。
たいきにiPadを見せて
「これ、たいきがひとりで作ったの?」
『たいちゃん、ひとりでちゅくって、こわした』
うーむ。
本当らしい。
大したものだ。
3才児、あなどれない。
帰ろうとするとたいきが
『たいちゃん、おしっこ出る』
という。
家では一度もいったことのない台詞だ。
先生と連れだってトイレに行くのについていってみた。
ちゃんと自分でズボンとパンツを下ろして、子供用の小便器の前に立つ。
まじか!
このまま見ていようとして、ふと気づく。
なんか見られたら恥ずかしくてできなかったりしないだろうか。
あんまりぶしつけに見るのは息子とは言え誉められたことではない。
そう思い直してトイレから出ようとすると、たいきが振り返った。
『おとーしゃん、みてて』
そう言われればもちろん見る。
そもそも見たくて仕方ないのだ。
たいきはちゃんとおしっこをした。
いつの間にこんなにできるようになったやら。
先生の方には足を向けて寝られない。
たいきは保育園ではすごく優しいらしい。
おもちゃを貸してと言われれば必ずかしてあげるし。
ひとりで寂しそうに座ってる子がいると、となりにいって座って上げたりもするとか。
昨夜家ではずっと戦いごっこをしていて『このおれにかなうとおもうのか!』なんて20回くらい叫んでいたけど、あまり保育園では見かけない光景らしい。
そんな話を先生がしてくださった。
とにかく、育っている。
もうすぐたいきは4歳になる。
いう人に言わせると、親孝行は3歳までで終わってるなんてことらしい。
「親孝行は3歳までで終わってるっていうけど、もう4歳になっちゃうねぇ」
そう奥さんに言ったら、間髪をいれずに
「もう十分してもらったよね」
と言われた。
確かにおっしゃる通り。
もう、4歳は赤ちゃんじゃない。
しっかり子供なのだ。
頼もしくもあり。
寂しくもあり。
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