ごほうび

日記

サンタさんが義実家に『恐竜バトルキングダム』を持ってきた。

ざっくりいうと、恐竜のアニア(タカラトミーのフィギュア)を戦わせるためのステージのおもちゃ。

ところが、だ。

肝心の恐竜のアニアがひとつしか入っていない。

完全にサンタの手落ちだ。

と思いきや、奇跡的にばーばが恐竜のアニアをふたつクリスマスプレゼントに用意してくれていた。

これでなんとかことなきを得た、かに思われた。


ところが、だ。

バトルキングダムのステージのわきになにやら発射台がついている。

たいきがいうにはそこにモササウルスをセットして、モササウルスアタックをするのだという。

箱を見ると、確かに『モササウルスをセットしてアタックだ!』みたいなことが書いてある。

これ、ここまで重要なパーツが別売なのはなぜなのか…

ばーばが買ってくれたのはさすがにモササウルスではない。

なるほど。

これがないと完成しないのか。

と思っていたら、たいきからさらに追加情報。

『のささうるしゅはばとるせっとにはいってるんだよ!あかいてぃらのとべろきらぷとるとのしゃしゃうるしゅがはいってるの!』

詳しい。

これはもう、バトルセットとやらを買いにいかねばなるまい。


ということで、義実家の近くのショッピングセンターにたいきと二人で行った。

おもちゃ屋さんを見つけて、入る。

アニアは置いてあるかなぁ…というのは完全に杞憂だった。

さすがタカラトミーだ。

アニアの棚とトミカの棚とプラレールの棚がちゃんとある。

頼むからトミカやプラレールに気づかないでくれと祈りながら、アニアの棚に近づいた。

幸い、たいきはアニアにしか興味を示さなかった。


アニアの棚の上の方に、確かにバトルセットがあって、その中身はたいきが言った通り、赤いティラノサウルスとヴェロキラプトルとモササウルスだ。

大したものだと感心する。

たいきにその箱を渡してやると、たいきは一応それをわきにおいて、他のアニアを物色し始めた。

そして、大好きなマンモスのアニアを見つけてしまった。

それから、カバのアニアも見つけた。

たいきはこのふたつを床に置いて、その前にしゃがんでためつすがめつしていたが、意を決したようにこちらを見上げ、

『たいちゃん、まんぼしゅがほしい』

といってそれを私に差し出した。

何かとても複雑な表情をしている。

どちらかと言えば、悲しいといっていい表情だ。

『マンモスがいいの?』

『うん』

ああ、そうか。

いつもコンビニでもスーパーでも、おもちゃやお菓子を買うときは『ひとつにしてね』と私が必ず言うので、それを守っているのだ。

本当はモササウルスも欲しいのだけど、マンモスもどうしても欲しいのだ。

ため息をついた。

『たいき、バトルセットも買ってあげるよ。今日はマンモスも買っていいよ。カバさんも欲しいなら、買ってあげるよ。』

たいきの表情が驚きから喜びに変わった。

『うん!』


最初からあれもこれもと言われてたらどうしただろうか。

私は甘いから、みっつとも買ってやったかもしれない。

いや、それでもカバさんくらいは我慢させただろう。

『今日はバトルセットを買いに来たんでしょう?』

とかいって。

そして、たいきは多分ちゃんと我慢しただろう。

しかしまあ、しかたない。

なにしろたいきはいい子だ。

ちゃんと自分でひとつに絞った。

悲しそうな顔で、マンモスだけ買ってくれと言った。

こんなにいい子にあんな顔をされたら、全部買ってやるしかないじゃないか。

ごほうびというやつだ。


もちろんひとつも後悔してない。

いいおでかけだったし、いい買い物だった。

いい正月が迎えられそうだ。



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