お遊戯会、たいきは『がんばった』
今日は保育園のいわゆるお遊戯会というやつ。
毎回、出し物の間中なき続ける子や、ずっと無表情であぐらをかいてる子がいたりしてなかなかほほえましい。
たいきは今まで去年までは出し物のコスチュームのようなものはちゃんと着たことがなくて、今年の運動会ではそれをちゃんと着て出てきたものだから驚いたものだ。
誤解がないように言っておくと、私はたいきがコスチュームを着ないことを気に病んだことはない。
運動会で着たことは、変化だとは思うけど成長というのとは少し違うと思っている。
大人になったって、無理にまわりに合わせて生きる必要なんかないのだ。
まして保育園でそんなことを身に付ける必要はまったくない。
だから、そういうことを無理にやろうとしない保育園の方針にとても満足している。
とはいえ、子供達がそでから登場して、最初の興味はやっぱりそこだ。
今回ははらぺこあおむしの出し物で、あおむしの顔を模した、先生が作ってくださったビニール製の帽子と服だ。
先頭は運動会で出し物の間中無表情であぐらをかいて座っていた子。
ちゃんとかわいらしいはらぺこあおむしの扮装に身を包んでいる。
二人目は最近一緒に帰る男の子。
この子は帽子だけかぶって、服の方は着なかったらしい。
それからあとは、みんな帽子も服も身につけて出てきた。
0才の頃から知ってるお友だち達だ。
親戚のうちの子よりはずっと身近な存在。
みんなかわいらしい。
そして最後に出てきたのが、たいき。
右の子だ。
完全に私服のまま。
帽子もかぶってないのもまあいい。
なんで顔隠してるのか(笑)
歌の序盤の間ずっと顔を隠しているか、両手であかんべーをしていた(笑)
なかなか、想像を越えてくる。
それでこそ3才児よ、と思いつつも、笑いが止まらない。
歌は中盤に入って、今度は子供達が二人ずつ前に出てきて
『げつよーび!りんごをひとつたべました!それでもおなかはぺっこぺこ!』
『かよーび!なしをふたつたべました!それでもおなかはぺっこぺこ!』
とやる。
元気に言える子もいれば、二人ともモゴモゴして何も言えないペアもいる。
全部がかわいらしい。
保護者からも拍手は起きても、嘲笑のようなものは起こらない。
優しい空間だ。
木曜日まで来て、最後がたいきと女の子。
たいきは座ったまま、前に出ても来なかった(笑)
先生に軽く促されたものの、少しかぶりをふって、そのまま。
ペアになっていた女の子の方は、月曜日を見事にお手本通りやりきった女の子。
多分先生としては一番やれそうな子をトップバッターにしてみんなのお手本にすると共に、9人で5組だったのでダブルヘッダーに選んだのだろう。
女の子はたいきが来ないことを少し気にしたけれど、まあいいか!という感じて堂々と
『きんよーび!おれんじをいつつたべました!それでもおなかはぺっこぺこ!』
と誰よりも大きな声でやりきった。
トリでもあったわけなので、ひときわ大きな拍手喝采が起こった。
最後は皆でならんで
『どうも!ありがとうございました!』
これだけはたいきもみんなと一緒に大きな声で言えたのだった。
全部の出し物がおわったあと、園長先生からお話があった。
『今日は皆様お集まりいただきありがとうございます。ここに立つと、お父様お母様がたがたくさん見えて私もとても緊張します。今日は上手にできたお子さまも、緊張していつも通りできなかったお子さまもいましたが、こうやってたくさんの人の前に立って緊張するというのもお子さま達にとってとてもよい経験になります云々』
うん。
なるほど。
たいきが緊張したのかはよくわからないけど。
とにかくあそこにみんなと一緒に立って、終わるまで泣いたり叫んだり逃げたりもしなかった。
どうしても私も、たいきは『がんばらなかったけどそれでいい』と思ってしまっていたけれど、これは3才児なりにがんばったってことでいいんだろうと思い直した。
さすがベテランの園長先生だ。
言葉の選び方に含蓄がある。
帰り道、たいきに声をかけてみた。
「たいき、今日は頑張ったね!」
『うん!たいちゃん、がんばった!』
そうか。
やっぱりがんばったんだ。
「がんばらなかったけどそれでいいんだよ」なんて声がけをしなくて本当によかった。
まだいまいちどう頑張ったのか、私がわかってない気がするけど。
そんなことはどうでもいいのだ。
たいきは今日頑張った。
それをちゃんと誉めてやることができた。
今日はいい日だった。
頭をグシャグシャに撫でてやると、たいきは嬉しそうに笑った。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません