「子供はやっぱりお母さんがいい」2
私のなかにもやっぱり母親神話みたいなのはあって。
たいきが今日、おむつをかえようとしたら
「おかあしゃんがよかった」
と言った。
泣いたわけでも暴れたわけでもなくて。
ぽろっと出ちゃった。
そんな感じで。
そうかぁ、って思ってしまった。
お風呂で頭を洗うのが嫌で散々イヤイヤして泣きながらとか。
お菓子が食べたいけど、さすがにそんなにお菓子ばかりあげられなくてとか。
そういうときに
「おかあしゃんがいい!」
と泣かれたりする。
それはね、まあねって思う。
別にお母さんだったら食べさせてくれるわけじゃないし、頭洗わないで出られるわけでもない。
そんなシチュエーションで言われる
「おかあしゃんがいい!」
は、まあ、それなりに冷静に受け止められる。
いや、それもなかなかだったんだけど、Twitterで色んな人に励ましてもらって、大分消化できた。
ここ数日、たいきは何かを主張しながらゆっくりと泣きはじめるということが増えた。
「どうぶちゅえんいきたい」
「動物園はもうしまってるよ」
「どうぶちゅえんいきたい」
「もう動物はお休みしちゃってるの」
「たいちゃん、どうぶちゅえん、いきたかったの~(泣)」
みたいな感じ。
そう。
今までは怒って泣いていたけど、最近は悲しくて泣くことができるようになったのかもしれない。
おむつをかえようとしたら、たいきが私のことを一生懸命蹴った。
「たいき、蹴るのは痛いからよして。」
ひとしきり蹴って。
でもちゃんと自分でやめてくれて。
そのあとだ。
「おかあしゃんがよかった」
たいきが泣くかなと思ったら、泣かなかった。
大人しくおむつは換えさせてくれた。
たいきと二人になって10日目。
わたしも少し参ってるかもしれない。
お母さんと10日も会ってないわけだから、会いたいのは当たり前だ。
それは、頭ではわかるのだけど。
どうしても「母親ではない」ということが心のどこかに引っ掛かってしまう。
「子供はやっぱりお母さんがいい」
同じタイトルの記事(「子供はやっぱりお母さんがいい」)を書いたときからずっと否定してきたけど、ほんとはそういう部分もあるかのもしれない、なんて。
そんな考えが頭をよぎる。
私が母親で、逆のシチュエーションで
「おとーしゃんがいい!」
と言われてもこんなことは思わないのかもしれないと思うと、なにか無性に悲しくなる。
色んなひとが励ましのコメントを下さった。
夫が単身赴任で「おとーしゃん」と言われることもあるよとか。
今のシチュエーションがいやだから別のシチュエーションがいいという意味でそういうことを言うことがあるよね、とか。
「おとうさんのほうがぜんぜんいい」といわれた、そこにいないひとのことを美化するものらしい、とか。
ひとつひとつ読んで、そうだよなぁと思うし、励まされる。
とは言え、さ。
自信がないわけじゃない。
お母さんが里帰りする前にはやってなかったことをはじめてやってるわけじゃない。
むしろ、やることは何も増えてないし、変わってもいない。
それでもこんな風になんとなく、でも深く悩んでしまう。
これは、父親であること、母親ではないことの原罪のようなものなんだろうか。
たいきがどうしようもなく、お母さんがいなくちゃ無理、というような感じならすぐに熊本に連れて行こうということは、当初から奥さんと話していた。
「いつも私がやってるんだから」
なんてつまらない意地をはってもしょうがないわけで。
この里帰り出産の時期、一番大事なのはたいきに過度なストレスを与えないことで、それを正確に判断するのが父親としての第一の役割だ。
そしてもちろん、今のところそんな風にはなっていない。
ご飯も食べるし、風呂にも入る。
お出かけもするし、寝かしつけだって毎晩ちゃんとうまくいっている。
それでも私は心のどこかで、子供にとって「母親と離れること」が、「父親と離れること」よりも大事件なのかもしれないということを恐れている。
まあいい。
そうやって少し心配しすぎるくらい心配しておけば、たいきの変調を見逃すこともないだろう。
ストレスは表情にでるばかりではない。
皮膚に出たり、内臓を通してうんちに出たり、睡眠障害のような形で出たり、あるいは噛んだり叩いたりみたいな行動の変化に出たりする。
何かいつもと違うことがないか、今は小さな変化を見逃さないように細心の注意を払いながら、いつもより少しテンション高めに遊び、褒め、抱きしめておこう。
そんな中でもたいきは変化はしている。
成長というやつだ。
相変わらずペースは早い。
変調なのか成長なのか。
見極めも大切だ。
来月にはたいきを熊本に連れていく。
私から見たらいつも通りのたいきをお母さんに引き継ぐわけだけど、お母さんから見たら刮目して見よという成長ぶりだろう。
ひとまわり大きくなったたいきに会えるのを楽しみにしているはずだ。
そこまで、とにかくたいきとふたりでこの生活をやりとげよう。

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