たいきに赤ちゃんでいてほしいのか
たいきと家に帰ってレコードをかけた。
今日はそんなに暑くないし、ご機嫌もいいので軽めの管弦楽ということで、モーツァルトのピアノ協奏曲『戴冠式』。
「たいちゃん、これしゅき!」
おー、そうか。
「これは誰の曲だと思う?」
「わかんない!」
「ベートーヴェンだと思う?」
「ちかう!」
「バッハだと思う?」
「…ちがう!」
「モーツァルトだと思う?」
「…うん!」
親バカで結構。
うちの子は多分天才だ。
ローソンで買い物をした。
金曜日なので週末のお菓子やら食べ物やら。
お菓子売り場に行くと、たいきが一生懸命お菓子を見始めた。
普段はたいきが
「あいしゅがたべたい!」
とか
「ちょこえっぐかう!」
とか言って、それから店にいく。
今日はそういうのなくて、こっちから
「お菓子買っていいよ」
と言って行ったから、シチュエーションとしては新しい。
見てたらまあ、たいきはお菓子のことをよく知っていて驚いた。
「あんぱんまんぐみだ!」
「これはきのこのやま!」
「これはあんぱんまんころころびすけっちょ!」
ビスケットはビスケットって言えてた気がするんだけどと思ってパッケージを見たら、たしかに『アンパンマンコロコロビスケッチョ』と書いてあった。
うーむ。
字が読めるんだろうかと疑うレベルだけど、もちろんそんなわけはない。
全部、YouTuberさんの実況動画だ。
結局、アンパンマンでもディズニーキャラクターのお菓子でもなく、きのこの山を買ったのもかなり意外だった。
帰り道、たいきはきのこの山の箱を抱えて歩いていた。
「たいき、きのこの山が食べてみたかったの?」
「うん!たいちゃん、きのこのやまたべたかったの!」
「きのこのやまはYouTubeで見たの?」
「うん!」
「誰が食べてたの?レオくん?」
「ちがう」
「ハネマリちゃん?」
「ちがう」
「こうくんかねみちゃん?」
「んっとねぇ、ゆーちゅーぶのぉ、おともだちがたべてたの」
うむ。
誰だろう。
まあいい。
「きのこの山、お父さんにも少し食べさせてくれる?」
「いいよ!」
「ほんとに?ありがとう!」
「んー、たいちゃんねえ、いちゅもやしゃしいから、おとーしゃんにきのこのやま、たべしゃしぇてあげる」
そうかぁ。
たいきと関わる中で「優しい」という誉め言葉はそんなに使ってない気がする。
これはきっと保育園の先生が言ってるんだろう。
いい言葉を使ってくれているなぁ。
いい子、とか、偉い、とかじゃなくて「優しい」は、いい。
言うことを聞く子だから大人にとって「いい子」というのじゃなくて、「優しいのはいいことだ」という価値観も含めて教えてくれているのだ。
ありがたい。
たいきはよくしゃべる。
少し最近の日記などを読み返していて、思うことがあった。
日記の中のたいきはあんまり長文をしゃべらない。
でも実際は
「りんちゃんがおれんじのぶろっくをどうぞしてくれて、たいちゃんはぶろっくであそんだ」
とか
「たいちゃんがおともだちに、おもちゃかーしーてっていわれたけどかしてあげなかったからせんせいにおこられた」
とか、結構長い文章をしゃべる。
たいきの成長を一生懸命書いてるつもりだけど、なにか、しゃべり方や言語能力については、私の頭の中のたいきはまだ2才になりたてのころと変わっていないらしい。
まだまだ二語文くらいの子供だと思いたい部分があるのかもしれない。
しかし、私がどんなにこの時間が永遠に続くことを願っても、たいきは大きくなっていく。
もちろんそれでいいのだけど、やっぱりさみしいなぁと思う気持ちも強いのだろう。
それがこのブログに出てしまっているのかもしれない。
少し意識して、長台詞を入れた日記を書かなきゃと思っている。
これが私の子離れの一歩目ということになるかもしれない。
余談だけど、たいきは家に帰ってきのこの山をあけて、ちゃんとお父さんにもひとつくれた。
そして、あえて「全部食べちゃだめ」とか言わなかったけれど半分くらい食べたところで袋の口をたたんで冷蔵庫にしまった。
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