少子化問題の原因は「今の若い女性」たちではない

ニュース関連, 人気記事

日本の人口が減り始めている。

何しろ少子化が止まらない。

ちょうどニュースで国内の14才以下の子供の数が去年より18万人少なくて、約1533万人というのをやっていた。

平成元年には2320万人もいたんだそうで、そこと比べると実に700万人以上、30%以上の減少ということになる。

ゆゆしき事態というやつだ。


なんでこんなに子供が減ったのか。

昔は大家族で子供が何人もいたのに、最近の若者は結婚しても子供をろくに作らない。

女性の社会進出のせいで晩婚化が進でだり離婚が増えたりして、子供の数が減ったらしい。

てなことをいう人もいる。

「若い夫婦が子供を産まない方が幸せだなどと勝手なことを云々」

などという下らないことを放言した政治家もいる。

実に馬鹿馬鹿しい。

まあ、完全に嘘とは言わない。

完全に嘘とは言わないけど、概ね間違っている。

一体全体、少子化はいつから始まったのか。

そしてそれは誰のせいなのか。

それを見ていこうと思う。


下のグラフを見てほしい。

棒グラフが生まれた子供の数。

1947年より前のグラフも無いわけじゃないけど、戦時中(1945年に戦争が終わった)は子作りを控えてたひとが多かったりとかで変なグラフになるので割愛。

今100才くらいの人たちについて

一番左の、1947年が、いわゆる第一次ベビーブームというやつ。

このとき子供を作った人たちを、仮に20~40才くらいの人たちだったとしよう。

今から70年くらい前のことだから、大体今90才~110才の人たちだ。

戦争が終わって、ようやく戦争にかり出されていた若い男も帰ってきたりやなんかして、みんな子供を作ったのだ。

他にやることもなかったんだろう。

で、すぐ後、第一次ベビーブームの3年後、1950年から急に子供の数は減り始める。

つまり、戦争が終わってすぐに一人作ったものの、みんながみんな二人三人と生み続けた訳じゃなかったのだ。

次に見てほしいのは同じグラフの赤い線。

これは合計特殊出生率といって、簡単にいうと「夫婦二人で子供を何人作ったか」という数字。

単純に言えば、これが2より小さいと人口は減り始める。

(実際にはこの頃同時に寿命が延び始めたので、統計上人口が減り始めたのはずっと後のことだ。)

1957年ごろにはもう、合計特殊出生率は2近くまで減っている。

今100才くらいの人たちはとりあえず戦争が終わって子供作ったものの、次の10年、つまり今90才くらいの世代の人たちは子供は二人くらいしか作ろうと思わなかったということ。

決して豊かな時代ではなかったし、便利な時代でもなかったはずだ。

男性の稼ぎの限界、家事育児を全部やらなければならない女性の体力的な限界を考えれば当然だろうと思う。

今70才くらいの人たちについて

またグラフに戻ろう。

次の山の話だ。

1962年ごろから子供が増え始め、1973年あたりにピークを迎える。

これを第二次ベビーブームと呼ぶ。

子供の数が増えていたいい時代だ。

しかしなぜ子供の数が増えたのか。

これは意外と簡単だ。

さっき見た、第一次ベビーブームで大量に生まれた1947年生まれの人たちが、何歳になったかを考えればいい。

彼らは1973年に26才になった。

つまり彼らが子供を作ったのだ。

親になれる人の数が多かったから子供が増えたのだ。

合計特殊出生率も見てみよう。

増えてない。

ちっとも増えてない!

ほぼ、2だ。

今偉そうに少子化が若いもんのせいでどうのこうのと言うじじいばばあの世代は、実際のところ人口を増やすほど子供を作りたいとは思わなかったのだ。

このころには核家族化が進み始めている。

このころ主に働いていた男性の経済的な事情と、このころ主に家庭にいた女性の体力的な問題や精神的な問題、ここでも両方が影響していたはずだ。


グラフの凹んでるところについて

一応、気になる人がいるかもしれないので、このグラフで変なへこみかたをしているところについて説明しておく。

この年は丙午(ひのえうま)の年といって、丙午は60年に一度来るのだけど、この年に生まれた女性は気が強すぎて夫の寿命を縮めるという、実に下らない迷信がある。

それでこの年には子供を産むのを控えた人が多かった、ということ。

戦後とはいえ所詮昭和というのはまだまだそんな時代だったのだろう。


その後の世代について

子供がたくさん生まれた第二次ベビーブーム(1973年)あたりなんて、みんな子供を作ってたんだろうなんてイメージがある。

しかし、それは幻想だ。

だって。1973年がピークだったということは、別の見方をすればその後は増えていないということなのだ。

合計特殊出生率はこの第二次ベビーブームのわずか二年後、1975年には2以下になる。

このころ20~40才くらいだった人たち、いまの60~80才の人たちの頃には、もう日本は三人以上子供を持ちたいと思える時代じゃなかった。

その後もそれはずっと続いているのだ。

男性の稼ぎは足りず、家のことをなにもかも押し付けられる女性の体力にも限界はある。

それはずっと付きまとってきたことなのだ。


安心して子供を産める時代とは

さあ、そろそろ私が何を言いたいのかわかってきたと思うのだけどどうだろう。

つまり、今90才くらいの人たちより後の世代の時代で、みんなが子供を安心して三人以上作ろうと思うような時代はなかった、ということなのだ。

ちなみに、戦前、あるいは戦後すぐくらいまでの人たちは安心だから子供をたくさん作ったわけではない。

子供を作ってもすぐ死ぬからということと、避妊の技術や知識がろくになかったから子供をたくさん作っていただけ。

四人生もうと思って生んでたわけでもないだろうし、四人生まれたて四人育てていたわけでもない。

なんのことはない。

日本は戦後、ずっと男性の稼ぎが足りず、女性は家庭生活に不満を持っていた。

つまり、少子化体質の社会だったということで、今の老人たちも含めて、誰も、合計特殊出生率が2をちゃんと超えてた時代のことなんか知らないのだ。


今子供が減っているのは、今の老人世代が子供をろくに作らなかったせいで「親」になれる年齢層が減っているから。

そして今の老人世代が、子供を作ると幸せなんだと思えるような生き方を、彼らの子供世代(つまり今の現役世代)に見せてこなかったせいだ。

家事育児を妻に押し付けたせいで家に居場所がないお父さん、家事育児を全部押し付けられて子供にストレスと愚痴を押し付けるお母さん。

そんな彼らを見ていて「家庭っていいな!」と思えなかった人が多かったのはどうしようもあるまい。

さらに彼らがろくに年金も払わずに、そのつけを子育てすべき現役世代に押し付けている。

今、子供が増えないのは誰のせいか。

やたらと「今の若い女性」のせいにする連中がいるけれど、それは全く間違っている。

実は今の少子化は、今の老人たちのせいだということは明らかなのだ。


少子化を止めるには幸せにならなければならない」に続く

■たいきのパパをtwitterでフォローする

■ブログをメールでフォロー

メールアドレスを登録すれば、更新の通知をメールで受信できます。

6,376人の購読者に加わりましょう