滑り台で冒険が始まった
たいきは滑り台がすっかり怖くなくなったらしい。
今日も公園にいくと、まっすぐに滑り台に走っていった。
滑り台をゆっくり滑ったり、早く滑ったりできるようになって、とうとう滑り台の途中で止まったりもできるようになった。
成長というのか。
とにかく驚く。
いつも通り少し離れてみていると、たいきが手すりにつかまらずに滑り台の階段を登り始めた。
あわてて駆け寄りながら声をかける。
「たいき、ちゃんとつかまって登って。つかまらないならお父さんも一緒に登る。落っこちたら痛いよ。」
たいきは少しつまらなそうな顔をしたけど、ちゃんということを聞いてくれた。
安心して上に登るのを見届ける。
と、今度は階段を早めの足取りで下り始めた。
少しはらはらするけど、まあ、いい。
そして最後の一歩。
ここだけこえをかける。
「よし、最後の一歩だね。ここが一番危ないよ。ゆっくり。気をつけて。」
案の定、最後の一歩は雑に下りようとしていたのが慎重になる。
徒然草に木登りの名人(確か庭師)の話があって、これはこの名人の真似。
弟子が高いところにいるときは声をかけないのに、下りてきて最後の一歩みたいなところで「気を付けろ」と声をかける。
兼行は不思議に思って「あそこまで来たら飛び降りたっていいようなものなのに、なんで声がけするのか」と質問する。
すると名人が答える。
「高いところにいるときは怖いから自分で気を付けるものだ。もう大丈夫、という高さに来たところが危ない。大体怪我するやつはこの高さで怪我をする。」
また登り始めたたいき。
今度は階段を階段の一番上から、てっぺんのフロアに入るところで「ぴょん」といいながら両足で飛び込んだ。
やれやれ。
よくまあこういうことばかり思い付くものだ。
「たいき、滑り台の上でふざけないで。危ないからね。」
わかったようなわからないような顔で、滑り台の方にいって、あろうことか頭から滑り降りようとする。
あわてて滑り台の下に向かう。
思ったよりずっとゆっくりのスピードでたいきが滑り降りてくる。
ちゃんと一番したで止まった。
頭から落ちるかと思ったけどそうはならない。
たいしたものだ。
まあ、落ちても顔を擦りむく程度だろうけど。
滑り台をおりるとまた一目散に階段にかけていって登る。
一番上でぴょんとしようとするのでもう少しきつめに注意すると、これはやめてくれた。
また頭から滑る。
よほど気に入ったらしい。
とりあえず上手に滑れることはわかったので、ブログと義実家に送る用に写真を撮った。
しかし慣れるのは怖い。
刺激を求めて過激になっていくのはティーンエイジャーの専売特許ではないらしい。
ブランコはこの間落ちたのがきいてるのか、今日は近寄らなかった。
まあ、滑り台ももう一度くらい落ちたりしてもいいのかもしれない。
そのくらいの遊び方の方が楽しいんだろう。
死なない程度に、色々チャレンジしたらいいのだ。
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