たいき二歳半の雨の東京ディズニーランドデビュー①
家を出たのは10:00前。
11:50の予約でまずはディズニーアンバサダーホテルへ。
ホールで私の顔を見上げていたたいきが何か騒ぎだした。
「ぐーふぃー!」
何々?
屈んでたいきにはなしかけると、たいきは私の顔も見ずに相変わらず上を見上げている。
上を振り返ると高い天井に絵が描いてあるのが目に飛び込んできた。
なるほど。
子供達はいつも親の顔を見上げている。
だから、きっとここに足を踏み入れてこの絵に気づくのは子供達だ。
なんとも素敵な世界じゃないか。
いきなり感心させられた。
奥さんが予約してくれていたシェフ・ミッキーへ。
もう、今回こういうのをいちいち拾っているときりがないのだけど、椅子の背もたれにミッキーがいる。
通路側に子供の席が作ってあって、向かいはソファ。
たいきはソファ側で動き回れるくらいの方がいいかなぁと一瞬考えて、奥さんと顔を見合わせたけど、深く考えずに「まあいいか」とお互いにアイコンタクトしてそのまま座った。
15分後にキャラクター達がグリーティングに来るとのことで、急いでビュッフェの料理を取ってくる。
席に座っていると、ドナルドダックが来た。
なるほど。
たいきの席は通路側じゃなきゃダメだったのだ。
戸惑いぎみ?のたいきにお母さんが
「だーれだ?」
と聞くとたいきは緊張した感じの小さな声で、でもはっきりと
「どなゆど」
と言った。
ドナルドが大袈裟に拍手してくれる。
たいきは恥ずかしそうに。でも嬉しそうに「えへへ」と笑った。
ドナルドダック、デイジーダック、ミニーマウスが来て、一緒に写真を撮ってくれた。
なるほど。
こういう流れか。
挨拶して、たいきにひとしきり絡んでくれて、私たちとも握手とかハイタッチをしてくれて、それから写真を撮る。
流れが理解できたところに、大真打ち、世界のスーパースター、夢と魔法の王国の主、ミッキーマウスが登場する。
たいきは相変わらず緊張した面持ち。
しかし怯えはしない。
ミッキーは大好きなのだが、この状況をどう理解していいかわからないという感じ。
まあ、やむを得まい。
おずおずとだが、手を出してタッチしてもらって喜んでいる。
いい笑顔だ。
ご飯も普通に美味しかった。
これで、大人は5300円(ドリンク別)、3才までの子供は無料。
高いと思うか安いと思うかは人によるだろうけど、とにかく人気すぎて予約がとれないことで有名ではある。
「今日はミッキーに会いに行くよ!」
といってたいきを連れ出してきたのだけど、いきなりその目的は達成してしまった。
もう、お腹いっぱいといっていい満足感だった。
小雨の降るなか、いよいよ本丸、東京ディズニーランドに入場。
私は、晴れていようが雨だろうが、ソーサラーミッキーの帽子をかぶると決めていた。
雨対策のポンチョも買って、着てみるとすっかり魔法使いになってしまった。
まあいい。
踊る阿呆にみる阿呆、同じアホなら踊らにゃそんそん、というやつだ。
こういうときに、一番バカができる父親で、私はいたいのだ。
ディズニーランドのスタッフさん達はゲストが入り込んだ夢の舞台の演者ということで「キャスト」と呼ばれている。
私は、今日はゲストではなくて、たいきと奥さんのための「専属キャスト」として来たのだ。
一方、たいきはこのシールをもらって貼っている。
これを貼っていると、キャストの皆さんが見るたびに「おめでとう!」といってハイタッチしてくれるのだ。
地味に嬉しいサービスだ。
ワールドバザールを抜けると広い空のしたにシンデレラ城が見える。
美女と野獣やアナと雪の女王のDVDのオープニングで、たいきはこの城を見ていて「おっきーいおうち!」と呼んでいた。
その実物を目の前にしてたいきは興奮ぎみに「おっきーいおうちだ!」と叫んだ。
予習万歳だ。
何にどういう順番でのるかなんてことはあまり深くは考えずに来たけど、ディズニーランドの回りかたは決まっている。
このシンデレラ城の正面のプラザから左手に向かって歩き出す。
ランドの中心にあるシンデレラ城を右手に見ながら、ぐるっと回っていくのだ。
最初にたどり着くのは「過去」をモチーフにしたアトラクションが集まっている「アドベンチャーランド」だ。
今回はこちらから右手奥のトゥーンタウンまでを回るつもり。
全部のエリアを見るつもりはない。
ディズニーランドが一番ディズニーランドらしいエリアは、このアドベンチャーランドから左手奥のクリッターランド(スプラッシュマウンテンがある)、そして奥のファンタジーランド。
どんなに頑張っても全部見るのは無理なのだから、なるべくディズニーらしいところを集中して回ろうというわけだ。
アドベンチャーランドに入るとすぐに「カリブの海賊」があるのだけど、薄ぐらい中でしゃれこうべを見るような内容なので、たいきが怖がるかもしれないからパス。
そして「ジャングルクルーズ」にたどり着いた。
これだ。
船にのって船長さんの愉快な話を聞きながら動物を見て回る。
動物園が大好きなたいきにはうってつけのアトラクションだ。
待ち時間は20分程度。
雨が降っていたこともあってかなりすいているけど、どんなに混んでも1時間待ちということはまずない。
たいきに
「おふねにのって、動物見ようか」
というと
「のる!」
と元気な返事。
よし。
余談だけど、ディズニーランドは待ち時間が長い!というひとがいる。
そんなことはない。
少なくとも子供連れであれば、そんなことは全くない。
ほぼ全てのアトラクションで、待ち時間の行列ができるけれど、その進む道すがらも退屈しないように、色んな細工や人形なんかがおいてある。
「お!あれはなんだ?」「こっちはなんだ?」なんていいながら歩いていくわけなので、ちゃんと子供とそういうものひとつひとつを楽しんでいけば、ただ待っているだけの時間にはならないのだ。
旅行と一緒で、目的地だけを楽しむタイプの人には苦痛かもしれないけど、道中も楽しもうと思えばいくらでも楽しめる工夫がされているのがディズニーランドなのだ。
ジャングルクルーズの船長は女性で「タケウチ」さん。
これが正真正銘、たいきのディズニーランドアトラクションデビューだ。
軽妙な語りで楽しく船は進んでいく。
「たいき!あれ見て!」
「たいき!こっち見て!」
「かばしゃん!」
「ぞーしゃん!」
なんて話しながら、たいきは大好きなかばさんやぞうさんが見られてご満悦だった。
そういえば最後に出てくる首狩り属のサムは、アミュレットの行商人に変わっていた。
他にもBGMがついたりプロジェクションマッピングが見られたり。
やはり10年近く来ていないと色々変わっていて楽しかった。
次はウエスタンリバー鉄道。
ジャングルクルーズのすぐとなりが駅になっている。
待ち時間はほぼゼロ。
汽車ポッポだ。
こちらでは鹿やプレーリードッグを見ることができる。
「たいき、電車に乗ろうか」
「のりゅ!」
たいきを抱っこして階段を上る。
汽車に乗り込むとたいきが口を開いた。
「とーましゅ!」
いや、まあ、間違ってないけど。
青野武のアナウンスで「カバやヘビが見られるかも」と言っていたので、たいきは大好きなカバが見られるとかなり楽しみにしていたようだったが、残念ながらカバはみられない。
かわりに、最後にトンネルの中で恐竜が見られる。
たいきは
「とりけらとぷしゅ!」
「てぃやのしゃうりゅしゅ!」
などと叫んでいた。
よく知っているのだ。
とりあえず、ジャングルクルーズでは少しならんで楽しいことがある、という基礎的な流れも体験した。
ウエスタンリバー鉄道も、カバがいなくて若干不満そうではあったけれどまずまずの反応だった。
たいきのディズニーランドデビューは、順調に滑り出したといっていい。
ちなみに、たいきが「おふねにのってどーぶちゅをみよう!」「きょーゆーがみたい!」というので、最終的にジャングルクルーズは3回、ウエスタンリバー鉄道も何回か乗った。
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