登園風景というか、出発風景
いつもは残念ながら抱っこで登園してる。(なぜ残念なのかは、コチラ「『僕は絶対子供を抱っこしない』というお父さんに感動した話」)
昨日は久しぶりに、たいきが
「びーか」
と言った。
ベビーカーで行きたいということだ。
朝はベビーカーにのって、帰りは自分でベビーカーを押してごきげんに登下園した。
今朝はどうかなと思っていたら、やはり今朝もベビーカーで行きたいという。
まあ、しかたない。
例によって上着も着なければマフラーも拒否、靴下も靴もはいていないので、見ていて寒そうで仕方ないから、できればせめて抱っこしたいのだけど、言って聞くものでもない。
何しろここまで着替えさせるだけでも色々あったのだ。
人生には妥協も必要だ。
ベビーカーにのせて、一応一通り聞く。
「寒いでしょ。上着着る?」
「うわぎ、や」
「マフラーは?」
「まふらー、や」
「じゃあ、お父さんのマフラー持っててくれないかな。」
「おとうしゃん、まふらー、じゅんで(じぶんで)もって」
「靴下だけでもはかない?」
「くちゅした、や」
はい。
「寒くないの?」
「しゃむく、にゃい」
道を歩いてるのを見た人が「あんな寒そうなかっこうさせて!虐待だ!」とか言うかもしれないけど、私としてはもうこれが精一杯。
しかたなくベビーカーを押し始めると
「くちゅした」
とたいきが言い出した。
あわてて立ち止まって登園バッグから靴下と靴を取り出してたいきの前に屈む。
「靴下はくの?靴もはく?」
「くちゅした、はく!」
靴下だけってことか。
靴をバッグにしまって、靴下を履かせる。
「よし!これであったかいね!」
「くちゅ!」
はい。
登園バッグにさっきしまった靴を取り出して靴まではかせると、たいきがベビーカーから自分でおりてきた。
ベビーカーの後ろに回る。
「じゅんで!」
一瞬、登園バッグに入れた上着を自分で探したいということかなと思ったけど、違う。
自分でベビーカーを押したいということらしい。
はぁ。
申し訳ないけど、朝、たいきにベビーカーを押させるのはいやだ。
車はたいして通らないけど、朝は狭い歩道をそれなりにたくさんの人がいったり来たりしてるので、ノロノロフラフラ歩くのは迷惑だ。
それに、今日はたまたま時間には余裕があるけど、ギリギリの日もあるから、朝押す習慣がつくと正直困る。
「たいき、ごめんね。ベビーカー持っていくなら乗って。乗らないならベビーカー置いていこう。」
たいきはベビーカーの後ろで精一杯背伸びしてベビーカーの持ち手を握っている。
その姿勢のまま聞こえないふり。
もう一度
「たいき、ごめんね。ベビーカーに乗るか、ベビーカー置いていくかどっちかにして。」
聞こえないふり。
「朝はベビーカー押していけないんだ。ごめんね。」
「や!じゅんで!」
「ごめんね。自分で押していきたいね。帰りは押させてあげるから、今はベビーカーに乗ってほしいんだ。」
たいきはようやく考え始めたような顔になって、少し待つとベビーカーから手をはなした。
「ベビーカーに乗ってくれる?」
「びーか、のりゃない」
「抱っこで行くの?」
「だっこや」
「自分で歩いて行く?」
「うん」
はぁ。
「じゃあ、ベビーカー置いていくよ?」
「いーよ」
しかたない。
ベビーカーを畳んで、玄関まで戻る。
「じゃあ、行こうか!」
「うん!」
走り出したたいきの背中をあわてて追いかけた。
この後、たいきは保育園までの道の半分を走って、残りの半分をカニさん歩きで登園した。
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