たいきのクリスマスプレゼント
新しいお友だちができた。
ドキンちゃんと、コキンちゃん。
サンタさんがつれてきてくれた。
たいきは、オレンジのドキンちゃんと青いドキンちゃんと呼んでいる。
YouTubeの動画で、アンパンマンやバイキンマンと一緒にこの子達が遊んでいる動画をよく見ていて、サンタさんとしては是非お友だちに、ということらしい。
今朝はちょっと大変だった。
朝6時前にたいきが起きたのだけど、何か恐い夢でも見たのか、ひどく泣いて起きた。
わたしも起こされて、くらい部屋でなだめていた。
もうクリスマスプレゼントは枕元に置いてあったのだけど、たいきはまるで気づかない。
暗いのが嫌だったらしく、泣きながら自分で明かりをつけた。
布団に泣きながら戻ってきて、プレゼントに気づく。
「ほら、たいき、サンタさんが来てくれたみたいだよ。プレゼント持ってきてくれてるよ。」
と話しかけると、ますます泣き始めた。
「いやー!さんたしゃん、こないよ!」
サンタさんは怖くないんだよ。もう帰っちゃったし。たいきくんはいいこだからって、プレゼント持ってきてくれたんだよ。
そう言っても、むしろ泣き声は大きくなって手がつけられない。
しばらくは仕方なく泣いてるたいきを眺めていた。
別に、あせる必要はないのだ。
サンタさんのプレゼントを開けるときはお母さんも起こさなきゃいけないし。
しかし、なんの予兆もきっかけもなく、たいきは泣き止んだ。
プレゼントの袋をわしづかみにして、開けようとする。
ビニールの袋の口が針金のはいったリボンで止めてあって、たいきには開けられないのは想定済み。
「おとーしゃん、あけて」
「これはねぇ、お父さんにも難しいんだ。お母さんに開けてもらおう。」
たいきはすっかりご機嫌で、プレゼントを抱えたまま奥さんの寝室のドアを叩く。
奥さんの寝ぼけたような声が聞こえてきた。
「たいき。どうしたの?」
「さんたしゃん、ぷれじぇんと、もってきたよ!」
おお。
これか。
サンタさんがプレゼントを持ってきてくれたことはしっかりとたいきに認知された。
満面の笑顔でお母さんを引き連れて戻って来たたいきを見ると、なんだか、おかしいような、くすぐったいような気持ちになる。
プレゼントは色々なものが小分けに包装されていて、たいきはそれをひとつひとつ歓声をあげながら開けていった。
サンタさんの目論み通りだ。
うわぁとかおおー!とか叫ぶたいきを全部動画におさめて、奥さんの実家に送った。
サンタさんには感謝しかない。
昼過ぎに奥さんが「お父さんがくれたおもちゃ」と口走っていたのでちゃんと訂正した。
一体いくつまで、サンタさんはたいきのところに来てくれるだろうか。
しかし、何年か来てくれるにしても回数にすれば数えるほどしかない。
たいきは今年、最高の笑顔を私たちにプレゼントしてくれた。
一回一回を大切に記憶していきたいと思う。
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