2歳児とパパの秘密のデート ~日本大通り~元町・中華街

日記

今日は、たいきと二人で横浜デート。

今まで男性も女性も含めて色んなひとと歩いた街。

ここをたいきと二人で歩く。

ちなみに、横浜というのは本来横浜駅近辺のことではなくて、日本大通り近辺のことをいう。

それは、この辺りが「横浜市『中区』」で、横浜駅辺りは「横浜市西区」であることからも分かる。

横浜というのは港町で、その港があり、その最も重要な施設である税関がある場所がここ、日本大通り。


開港記念会館「ジャックの塔」

地下鉄みなとみらい線、日本大通り下車。

エレベーターを上がると最初に見えるのが開港記念会館、別名横浜三塔のひとつ、「ジャックの塔」。

戦後はマッカーサーの作戦本部がおかれたことでも知られている。

横浜三塔の中では一番小さいけど、近くから見上げるとやはりでかい。

小さかろうがなんだろうがやはり塔だ。

「たいき!ジャックの塔だよ!」

「あ!とりゃっくだ!」

「ジャックの塔、綺麗だね」

「あー!たんくろーりーしゃ!」

「ほら、かっこいいでしょう?」

「あー!みきさーしゃ!」

うーん。

港が近いだけあって、働く車がよく通る。

たいきは全然見てくれない。

一通り車が通りすぎてようやく気がついたらしい。

「あ!おとーしゃん!とけいついてるのよ!おっきいねぇ」

うんうん。

ありがとう。


象の鼻パーク

ここから、歩いて2分の象の鼻公園へ。

この公園は実はかなり新しい。

だから、あんまりデートの思い出はない。

だけど実はここが横浜港発祥の地。

「象の鼻」というのは明治時代だか江戸時代だかに、港の波止場の形から当時呼ばれていた名前。

いまは綺麗に整備されていて、大桟橋に泊まる船が綺麗に見える。

この大桟橋に、横浜に来る大型船は泊まるのだ。

クイーンエリザベス二世号も、プリンセスクルーズの豪華客船も。

今日はなんと日本郵船の誇る日本最大の豪華客船、憧れの「飛鳥Ⅱ」が停泊していた。

大きすぎて、たいきはそれが船だということも気づかない。

残念。

しかし、広い空、開放的な空間。

たいきは縦横無尽に走り回る。

名前にちなんで象もおいてある


横浜税関「クイーンの塔」

そして、ここから綺麗に見えるのがこちら、元祖横浜の女王、クイーンの塔。

いつ見ても美しい。

すぐとなりにある神奈川県庁の「キングの塔」よりも少しだけ高く設計されている。

税関というのは、税金をとるところというよりは、港にはいる荷物を全てチェックして怪しいものが出入りしないようにする、国家の砦。

ここを通って、横浜市歌に歌われる「果てなく栄えて行くらん御代を飾る宝」もみんな入ってきたし、明治の日本を支えた輸出品、シルク(絹糸)も運ばれていったのだ。

ちなみにこのすぐ近くに「シルクセンター」という建物があって、神奈川県民は基本的にはここでパスポートを作ることになっている。

元々はキングの塔よりも低く設計されていたらしいのだけど、設計図を見た税関責任者が「いやしくも国の機関である税関が県庁ごときよりも低く設計されているのはけしからん!」と激怒し、設計し直させたらしい。

横浜港の空に、すっくと立つ誇り高い姿はまさにクイーンの塔の名に相応しい。


横浜三塔

ちなみにこの「キングの塔」「クイーンの塔」「ジャックの塔」をいっぺんに見ることができると幸せになると言われていて、昔からあんまり陸からそれをいっぺんに見られるスポットがなかった。

いまはこの象の鼻パークのある場所から、海を背にして立つと見ることができる。

今日はキングの塔は工事中だった。

写真の左側の方に写っているのが一応キングの塔。

キングの塔とクイーンの塔のちょうど真ん中辺りにちいさーく映っているのがジャックの塔。

初心者にはわかりづらいが、昔はこの三つくらいしか大きい建物はなかったんだろう。

そして、陸からはなかなか綺麗に見えないこの三塔は、実は海からはよく見える。

はるばる外国から船で横浜に来た人たちを迎えるのがこの三塔。

三塔を見ると幸せになる、というのは、横浜港を訪れた人々へのウェルカムメッセージだったのだと思う。

本当はもうひとつ、エースの塔というのもあって、これについて話すとひと記事分の文字数くらいはかかるので割愛する。


ジャックカフェ

説明不要の名店。

この、今でいう象の鼻公園のとなり、昔からの言い方なら大桟橋の入り口に、昭和初期からある。

小さなカフェで、名前はカフェだけどどっちかっていうとダイニングバーだろう。

とにかくレシピが古い。

ハンバーガーを頼んでもサンドイッチを頼んでも、問答無用の6枚切りの分厚いトーストに具材が挟まれたものが出てくる。

こんなハンバーガーを食べられるのはここくらいじゃないかと思うので、いつもは食べないけど、はじめて行くひとがいるとハンバーガーを注文させていた。

大体喜ばれる。

おいしいからじゃなくて、珍しいからだけど。

あ、まずいわけではない。

ただ、大変食べにくい。


困ったことに、ここにたいきが入りたそうにしている。

この店に惹かれるというのは、横浜で生まれた(生まれたのは熊本だけどいいの)ハマッ子の血が騒ぐのか。

大したものだ。

しかし、この店は分煙すらされていないダイニングバー。

子供が入るにはちょっと敷居が高い。

中をうかがうと、ラッキーなことに「west」の方(westとeastに店舗が別れている。隣同士だけど)には客がいない。

たいきをつれて入ることにした。

店のなかにはいつからあるかわからないようなレトロなコカ・コーラの自動販売機があったりして、プレスリーが流れていた。

ジェンガとか、チェスとかおもちゃもおいてある中から、たいきがさわっても問題無さそうなのを選んで遊ばせる。

たいきは昼御飯を家で食べたけど、こちらは食べずに出てきてしまった。

オレンジジュースとアイスティー、フライドポテトとツナサンドを頼んだ。

サンドイッチは食べにくいがうまい。

たいきもすこしポテトをつまんだ。

他の客が来てタバコを吸い出すと困るので、あんまりのんびりせずに退散。


山下公園

ジャックカフェから徒歩2分。

言わずと知れた横浜最大の観光スポット。

海岸を埋め立てて作られたこの長っぽそい公園には、海外からの観光客や老若男女のカップルでいつも一杯。

実はこの公園は、関東大震災で出た横浜の瓦礫で埋め立てられている。

悲しい歴史が、実はここにもあるが、今ここを訪れる人で、それを知るひともそう多くはない。

人々の笑顔と笑い声が、震災被災者にはなによりの弔いだろうか。

土日祝日は大体大道芸人やらミュージシャンやらがなにかやっていて、人だかりができている。

若き日の柳家喬太郎師匠がここで稽古してたという話もある。

その横浜出身の喬太郎師匠の名作「横浜物語」の最後のシーンもここ。

付き合う前のカップルが関内駅からずっとあちこち見て回ってここにたどり着いて、ここで男性が告白。

「目をつぶってるからNOなら帰ってくれ。YESならここにいて」

目を開けると彼女はそこにいた。

喜ぶ彼に、彼女は「いや、お付き合いはできません」。

え??じゃあなんで消えなかったの?と聞くと

「だって、駅までの道、わかんないもん」

当時はJRしかなくて、関内駅からこの辺りに来るのはなかなかの遠足だった。

まだ地下鉄が通っていなかった頃の話。

今は山下公園から徒歩3分で「元町・中華街駅」があるので、もうこの噺はできないのかもしれない。


閑話休題。

さすがに喬太郎師匠のはなしはたいきにはしない

芝生が綺麗に植えられていて、たいきは駆けずり回っている。

途中、赤い靴履いてた女の子の象にもご挨拶。

赤い靴はいてた女の子

異人さんに連れられて行っちゃった

横浜の波止場から船にのって

異人さんに連れられて行っちゃった

今では青い目になっちゃって

異人さんのお国にいるんだろ

赤い靴見るたびに考える

異人さんに会うたびに考える

未婚の母が、この子を育てきれずにアメリカ人宣教師夫妻に託した。

そして、彼等はその子をつれてアメリカに帰っていった。

それだけの歌だ。(諸説あり)

子供ができた今、お母さんの悲しみはよく分かる。

せめて、赤い靴はいてた女の子は幸せだっただろうか。

たいきを抱いて、像にいいこいいこさせた。


マリーンルージュ乗り場

サザンオールスターズの歌に歌われた「マリーンルージュ」は山下公園から出るレストランクルーズ船の名前。

もちろん今日は乗らないのだけど、乗り場の入り口に立派なクリスマスツリーが飾ってあった。

たいきは何人かの、色んな国の子供たちと一緒になって、うれしそうにオーナメントをさわっていた。

いつまでも離れようとしないけど、大分暗くなったし寒くもなってきた。

「だめよ!もっと!いやーー!!!」

と叫ぶたいきを抱き抱えて帰路につく。

たいきの機嫌が悪い。

もう眠たいのかもしれない。

しばらくするとおとなしくなった。

しかし、とにかく重い。

「たいき、歩ける?」

「いや」

「ベビーカーは?」

「や!」

そしてまた、ぐずる。

はぁ。

しかし限界だ。

「ごめんね。もうだっこ無理。後で抱っこしてあげるから、ベビーカーに乗ってくれないかな」

と一生懸命お願いすると、たいきはいいよといってベビーカーに乗ってくれた。

ことばが通じるようになったことをこんなに感謝したのは、はじめてかもしれない。

ベビーカーに乗るとすぐに、後ろから見てもはっきり分かる格好で寝てしまった。

ぐずっていたのは、やっぱり眠たかったのだ。

そのまま帰宅。

家に帰るたお母さんが出迎えてくれた。

「たいき、今日は何を見たの?」

「みきさーしゃとろーりーしゃ!」

そのふたつかい!

まあ、一日楽しそうだったからいいか。

今度は三人で行きたい。