しゅーしゅーしゃ、しゅぐかいってくるよお?

日記

最近はとにかくこのチーズが好きで、毎朝食べている。

自分でむいてモグモグ食べるので楽でいいんだけど、ご飯も何もガン無視で、ヨーグルト食べてチーズ食べて、挙げ句に「にゅーにゅーのみたい」などと言われたりする。

全部乳製品。

朝イチ起き抜けにはおっぱいも飲んでるのだからあきれる。

今朝はしかし、たいきがチーズを箱からだしながら

「おとーしゃんも、ちーじゅたべる?」

と聞いてくれた。

いや、支度があるからと言いかけて、あわてて言葉を飲み込む。

せっかく聞いてくれたのだ。

好意を受けるのも大切と思い直す。

「うん、ありがとう、お父さんも頂くよ」

そう答えるとたいきは両手に持ったふたつのチーズをのぞき込むように眺めながら

「しょうかぁ…」

と言った。

それだけなんだけど、そうかぁ、と言われたのは初めてのこと。

そして、どういうつもりで言ったのかわからないけど、私の言葉を聴いて何かを考えてくれてるらしいのが、おかしくておかしくて、たいきのつむじを見ながら声を出さずに笑ってしまった。


トイレにいくとたいきがついてきた。

そう言えば、昨日は保育園でおしっこを便座に座ってしたらしい。

まだトイトレとかする気は無いけど、まさか保育園の先生(男性も二人いる)は立ちションするところは見せないだろうから、私は立ちション派ではないけれど、立ちションは男として避けて通れないところなので、たまには立ちションするところを見せてやろうと思って、少し体をずらしてたいきから便器が見えるように立って立ちションして見せた。

どうでもいいけど、人生でこんなに立ちションという言葉を書いたのは初めてだ。

たいきが見てるかどうかはわからないけど、一応声をかけてみる。

「たいきもこうやっておしっこできるかな?」

すると

「できにゃいけど、くしゃい」

と言ってドアを閉められてしまった。


なかなか出掛けようという気持ちにならないたいきに「ごみ収集車が来るよ!早くしないと行っちゃうよ!」と言って支度を促すのはいつものこと。

しかし今朝は、そう言って外に出たものの収集車がいない。

まあ、そういう日もある。

たいきはきょろきょろしながら

「しゅーしゅーしゃわぁ?」

と盛んに言っていた。

「収集車、まだ来てないのかなぁ」

なんて、適当に相槌をうちながら歩く。

もちろんたいきを抱き抱えている。

朝のおやつの時間にぎりぎりなのだ。

「しゅーしゅーしゃ、いないねえ」

「そうだねえ、いないねえ。」

「しゅーしゅーしゃ、しゅぐかいってくるよお?」

「収集車、いないねぇ」

「しゅーしゅーしゃ、しゅぐかえってくるよお?」

「収集車が、来るかなぁ」

「しゅーしゅーしゃ、しゅぐかいってくるよお?」

「…収集車が帰ってくるの?」

「しゅーしゅーしゃ、しゅぐかえってくるよお?」

あー、、

そうか。

お母さんが遅い日には私も言ってる。

きっと、私が遅い日には奥さんも言ってる。

ひょっとしたら、保育園でも毎日言われているかもしれない。

「すぐ帰ってくるよ」


時間はないんだけど、そう気づいて、思わず足を止めた。

たいきを抱き締めてほっぺにキスをして

「すぐ帰ってくるよ」

と言うと、たいきは愉快そうに笑顔を見せながら、全力で身をよじって逃げた。

ドテドテかけおりては毎日のように転んでいた下り坂。全力疾走しても転ばなくなった。飛ぶような後ろ姿が眩しい。