たいきは「ありがとう」が言えなかった
最近保育園に行く途中の道で工事をしているらしく、何台もトラックが止まっている。
中に、ショベルカー(バックホー)も止まっていて、たいきはここのところ毎日それを嬉々として眺めている。
今朝も早めに集まった工事の人達がたむろする中、たいきはショベルカーを眺めていた。
少し時間があったので、いつもより長く見ていることができた。
「しょべるかー、おっきいねえ!」
などと目を輝かせながら身ぶりまでつけて感嘆していると、工員さんのひとりがトラックのに入ってすぐ出てきたと思うと、こちらに向かって歩いてきた。
ヘルメットに日焼けした顔で、無精髭の、多分30才前後のお兄さん。
何かなと思っていると話しかけてきた。
「ショベルカー、好きなんだねぇ。これをあげるよ。どうぞ。」
といってなにかを差し出した。
たいきは工員さんがおっかないのか、固まっている。
「たいき、ほら、くださるって。いただいていいよ。」
と促すと、恐る恐るてだけ伸ばして受け取った。
見ると、たいきの手のひらくらいの大きさの、ショベルカーの描かれたマグネット(冷蔵庫とかに張るやつ)がふたつ。
たいきはちょっとビックリしながらも嬉しそうにした。
「うわあ、たいき、いいものいただいたね。ほら、ありがとうは?」
昨日、このブログに「たいきはありがとうと言えるようになった」と書いたばかりだ。
ここは、しっかりありがとう言えるかな?
と思ったら、たいきはお兄さんを見つめたまま固まっている。
怯えておるというほどではないけど、明らかに緊張してる。
お兄さんが笑いかけてくれるのに、なにも反応できない。
「たいき、ありがとって」
動かない。
しかたないので、私から丁重にお礼とお詫びを言った。
なかなか思う通りにはならないもんだ。
まあ、そりゃそうだ。
気に病んでもしかたない。
バイバイもできなかったたいきに、お兄さんはそれでも笑顔で手をふってくれた。
超いいひとだ。
しかし、工事現場であのお兄さんはなんでこんなもの持ってるんだろう。
普段から配ってるのかなぁ。
そんなわけないかなぁ、と思いつつも謎は深まるばかり。
夜、早速マグネットをひとしきりいじると、ブロックをさわりはじめて、なんとショベルカーを作ってみせた。
あまりの出来に奥さんと顔を見合わせてびっくりしたのだった。
【追記】
フォロワーさんから、このマグネットの正体を教えていただきました。
バックホウのマグネット!確かにキッズが喜ぶグッズですね…!
工事現場では日々の作業内容を打合せする際、ホワイトボードに貼った図面上にその日の機械の稼働場所を作業者に周知するためにバックホウやクレーンのマグネットが使われます。
とっさにそれをプレゼントしたお兄さん、ナイスです!— た・ω・ま@娘ぶりとにー👶5m♀ (@tamacon_nyac) October 2, 2018
しかし、なんたる機転。神なのか。
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