2才児を美術館に連れていったのは、早すぎじゃなかった

お父さんであること

先々週だったか、たいきを横浜美術館に連れていった(「秘密のデート~2才児を美術館に連れていった」)。

どうも、たいきはその後も数日間その時のことを覚えていて、盛んにお母さんに「ポッポッポ!みた!」などと話していた。

私はすごく楽しかったし、たいきもとで楽しんでいたので、その時間を奥さんに共有していないことが申し訳ないし残念だった。

幸い、まだ同じ展覧会をやっていたので、今日、今度は親子三人で横浜美術館に行ってきた。


とはいえ、同じところに行ったからって同じ反応をするとは限らない。

絵なんかみたくない、と、泣くかもしれない。

前に見た絵の前で、いやがって大号泣とか、普通に想像できる。

同じように楽しんでるところを奥さんに見せたい、というのはまさに私のエゴなので、そうならなくても残念には思わないようにしなきゃ。

あるいは、今回は今回で、前回と違う楽しみかたを見つけるかもしれない。

今回も前回と同じように、たいきが見たいものを見たいように見て回れるようにしよう。

その中で、たいきが絵に目を輝かせる様なところがまた一度でも見られれば上出来。

あえてそんなことを奥さんと話し合いはしなかったけど、こんなことはなんにも言わなくても同じ気持ちでいてくれるはずだから大丈夫。


美術館につくと、たいきは前回も「へび!」と呼んでいたダリのオブジェを、前回と同じように「へび!」と呼んだ。

よし。

調子いいぞ。

チケットを買って、三人で展示室へ向かう。

この展覧会はもうすぐ終わるし、三連休ともあって、前回よりは大分混んでいる。

真っ先に展示されてるのが「睡蓮」。

数ある睡蓮の中でも、過去最高額で取引されたとかなんとかいうやつ。

「たいよう、ないねぇ」

この展覧会にはモネの絵がたくさん飾られているが、その中のいくつかには太陽が描かれているものがある。

たぶんたいきは、同じような絵だとは感じたものの、その中でも太陽が描かれているのが好きだったが、これは違う、ということを言っている。

一応目玉商品なはずなので、真ん中に描かれた大振りな蓮の花を指差して

「お花が咲いてるよ」

と言ってみたが、たいきは部屋の奥を指差して

「あっち!」

と言った。


たいきは「あっち!」を繰り返す。

前半のモネのパートはひたすら歩いてスルー。かろうじて「たいよう」が描かれた絵の前だけ、少し立ち止まった程度。

余談だけど、この展覧会は「モネ それからの100年」がテーマ。

なんだかTwitterでよくわからない人が前回のブログを読んで「印象派の展覧会にいってルノワールに言及しないなんて!」と怒っていたのだけど、テーマ的には風景画からデザイン画への変遷を楽しむ展示。

人物を描くことが主で、モネの後継者でもなんでもないルノワールの展示は今回はないし、当然ゴッホもない。


閑話休題。

たいきは私にだっこされながら、前回一番見入っていた大きな絵の前まで私を「あっち!」で誘導した。

「あった!」

「うわあ〜!」

「あおむし!」

やっぱりこの絵が見たかったのだ。

たいきは意志を持ってここまで私をつれてきた。

嬉しそうに絵を指差す。

「ぱぱは、これ!たいちゃんは、これ!おかーしゃんは、これ!」

なにやらわからないが、描かれている絵の具を指差しながらどれが誰と話している。

「ありぇ、はむみたい!」

「あおむし!」

一通り指差したら満足したのか、黙って目を輝かせて絵を眺め回す。

他になにか面白い見立てができないか探しているのかもしれない。


奥さんにもあらかじめ画集でこの絵は見てもらっていたので、すぐにそれと気づく。

「へー、本当にこの絵が好きなんだね」

わたしが見せたかったのが何なのかも、もちろんすぐにわかってくれたみたい。

この、たいきが喜ぶところを見せられて本当によかったと、内心小躍りした。


あとは、常設展でたいきが気に入ったものがいくつかあって、それもたいきは全部覚えていた。

そして、前回と同じように歓声をあげて、お母さんと楽しく鑑賞できた。

2才児といって侮るなかれ。

たいきはちゃんと覚えていたし、楽しんでいた。

この展覧会はもう終わってしまう。

この、たいきが一番気に入った絵を、また見ることができるだろうか。

今度は、別の美術館で同じ絵を見たときにどんな喜びかたをするのか、見てみたい。

こんなに気に入ったなら時々見せてやりたいし。


これだけ楽しめるなら、西洋美術館や新国立美術館なんかもいってもいいかもしれない。

美術の美しさというのは言葉を超越しているから、幼児でも楽しめるのだ。

おとなしくしている必要もないし、自分の時間で鑑賞できる点では、音楽よりもいい。

美術館、子供をつれていく場所としてはかなりおすすめ。

行きがけのたいき。アリに夢中。

【補足】

ベビーカー、抱っこひもの無料貸し出し有り。

入り口付近にベビーカー置くスペース有り(置くだけなので管理は自己責任)

オムツ替えできる多目的トイレは各階設置。

(2018年9月現在の情報です。現時点の対応については公式ページをご確認ください)