子供が生まれると出来ることが増える

お父さんであること

保育園からの帰り道、台風の影響で強風がすごくて抱っこ。

強い風が吹いてくるたびにたいきがキャッキャ言ってるので、おどけて「とばされる~」といいながら後ずさりしたりくるくる回ったり。

「もういっかい!もういっかい!」

のリクエストに台風の方もよく応えてくれて、何度も何度もそれをやっていたらいつまでたっても家につかないし腰はいたいしで大変だった。


今しかできないこと、なんていうのは、子供の頃にはわからなかった。

若いうちにやっといた方がいい、なんていうのもあるけど、まあ、大概のことは年取ってからもできる気がする。

子供ができると不自由になる、という感覚も今のところない。

むしろ、子供ができてやれることは格段に増えたと思う。

私は出不精だから、ひとりで動物園も水族館もいかないし、今さら山やら海やらにいこうとも思わない。

美術館くらいはひとりでも夫婦連れでも行ったかもしれないけど、いつでも行けると思うと行かないもんだ。

実際この10年で何回行ったか。

クラシックのコンサートも寄席も、ずいぶん足が遠のいてしまった。


たいきと台風あそびが出来るのはひょっとしたら一生で今日だけだったかもしれない。

美術館なんかついてきてくれて、しかも走り回ったり暴れたり叫んだりしないのは今のうちだけかもしれない。

クラシックのレコードなんて一緒に聞いてくれるのは今だけかもしれない。

動物園だって、海だって、山だって、今のたいきに見せられるのは今しかない。

ここに引っ越してきて4年くらい経つけれど、先日初めて夏祭りに行って地元の神社にもお参りした。

実に十数年ぶりに、クイーンズスクエアのディズニーストアにも入った。


まだ二歳の、何を見ても新しくて、素直な感想が言えるこの時期にたくさんのものを見せてやりたい。

今までの人生で、あれは楽しかった、あれはよかった、あれには感動した。

あれをまた見たい、いつかこれを聴きたい、あそこには死ぬまでにもう一度行っておきたい。

そういうものがそれなりにたまっていたわけだけど、たいきが生まれて、一気にそれをはき出している感じ。

たいきがいなかったら、毎週末をスマホゲームと昼寝とテレビで2日間過ごしてしまっていたに違いない。


子供ができるということは、子供の人生を充実させるという強い意欲が、私の体を突き動かすということだった。

いつか、が、いま、になった。

そのうち、が、今週末、になった。

いきたかったところに行ける。

見たかったものを見、聴きたかったものを聴けるようになった。

たいきが生まれて、私は自由になった。

まるで翼を手に入れたよう。