日記

双子づれの夫婦がケンカをしていた

先日、駅のプラットフォームで、3ヶ月くらいの双子の片方を立って抱っこしているお父さんを見た。

ヒゲで、細身で、まあ、やんちゃな感じ。

奥さんと思しき人が近くのベンチで、かなり険しい表情で座ってた。

明るい色の長い髪で、あんまり派手な格好ではないけど整った顔立ちが、何か苦しそうに見えた。


旦那さんが奥さんに何か話しかけた。

二、三秒あって、奥さんが大きな声を出した。

「わたしのことは心配しないわけ?!ねえ!なんなのよ!わたしのことは全然心配しないわけ!」

まばらな人影のプラットフォームで、何人かは驚いて振り返ったようだった。

奥さんは泣いてはいなかったけど、何かとても辛い思いをしてることは明らかだった。

強い怒気を孕んだ声は、でも今にも泣き出しそうな声だった。

旦那さんも、どうしていいかわからずオロオロしていた。

小さな子供達は、お父さんの腕の中とベビーカーの中で眠っていた。


悲しいな、と思った。

がんばれ、って思った。

私は詳しい事情はわからない。

奥さんは生理中なのかもしれないし、何かもっと別のことで具合が悪いのかもしれない。ひょっとしたら体調じゃなくて精神的に落ち込むことがあったのかもしれない。

旦那さんは子供を二人面倒を見ながら、暑い日だったから、子供のことを心配して早く帰ろうとか言ったのかもしれない。あるいは、「大丈夫?」っていうつもりで「そろそろ動ける?」とか聞いちゃったのかもしれない。


なんだかわからないけど、20代前半くらいの二人が双子を抱えてる。

ちょっとしたことなのか、日々の積み重ねでそうなったのか、なにかこの時だけひどいことがあったのか。

2人でいるなら2人で解決していくしかないのだ。

誰かの力を借りるにせよ、それも2人で助けを誰かに求めるしかないのだ。

子供はそんなこと御構い無しに眠っているし、大きくなっていく。

そんな風景をちらっと見てわたしは少し泣きたいような気持ちになりながら、心の中で応援して、プラットフォームをあとにした。

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