マンドリンオーケストラのための協奏曲集(ヴィヴァルディ)の紹介

子供に聞かせたい音楽

収録曲

A面

1.2つのマンドリンと2つのギターとマンドリンオーケストラのための合奏協奏曲 ハ長調(10:25)
2·マンドリンオーケストラのためのリュート協奏曲(7:53)
3、オーボエとマンドリンオーケストのための協奏曲 ハ長調(6 :32)

B面
1,マンドリン独奏とマンドリンオーケストラのための協奏曲ハ長調(7 :44)
2·ヴィオラ·ダモーレとリュートとマンドリンオーケストラのための協奏曲 ニ短調(1I:45)
3.2つのオーボエとマンドリンオーケストラのための協奏曲ハ長調(7 :01)

〔独奏〕
越智敬(マンドリン,A1, B1)
越智シルビア(マンドリン, A 1)
佐々木忠(ギター,A1,リュート, B2)
エルフィ·ゲルメジン(ギター,A1)
ピエール·w·ファイト (オーボエ, A3, B3)
ディエテルム-ヨナス(オーポろB3)
ライメル·ペータース(ヴィオラ·ダモーレ, B2)
ジークフリート·ベーレント編曲,指揮
ドイツ連邦マンドリンオーケストラ
(録音: 1974年7月)

〔解説:高橋功〕
全日本学生マンドリン連盟顧問
国際ギター·コンクール審査員

マンドリンの前古典音楽

現在のマンドリンはナポリの楽器製作家パスクアレ·ビナッチア(1806 ~ 1882)が完成したもので、洋ナシを縦に半分に切ったような形で、機械製のペッグ(弦巻き)に複弦4対のスティル弦を張り、亀甲片またはセルロイド製ピックで弾くものである。歯切れのいいスタッカートと繊細なトレモロによる南欧的な明るさと律動を特徴としているのが、マンドリン音楽に対するイメージであった。
ところがそれ以前すでにマンドリンという楽器が存在し、そのためにヴィヴァルディやモーツァルトやベートーヴェンが音楽を作曲したことが知られているし録音もある。単弦4本とか6本などの、ガット弦を張る今日のマンドリンとはだいぶちがった音楽であったと思われるものも中にはある。
このレコードでは越智敬がガットの代りにナイロン弦、単弦4本というマンドリンで、スタッカートを主とした前古典のマンドリン音楽を原曲に近い様式で演奏しているが、そこには現代のそれとは大部ちがった素朴で、優雅で爽快な趣きがある。

ヴィヴァルディの音楽

アントニオ·ヴィヴァルディは1678年3月4日ベニスに生まれ、1703年にサン·マルコ大聖堂の司祭に叙せられた。父はヴァイオリンの名手で、その手ほどきをうけたヴィヴァルディは聖職に在るかたわら合奏長となり、合唱長となり、大いに認められたので、ついに聖職を辞し、演奏家並びに作曲家として活躍することになった。1720年前後にはヘッセン ダルムシュタットの大公フィリップの招きをうけ、楽長として仕え、フローレンスベローナ、ウィーン、さらにアムステルダムなどでも自作を自ら指揮演奏して名声を博した。そして1741年にウィーンで客死した。

救貧院付属の音楽学校でヴァイオリンを教え、作曲を試み、作曲はトレリ、アルビノーニ、マルチェロの影響をうけ、オペラだけでも40曲という多作家で、とくに協奏曲が多い。ヴァイオリンのほかビオラ·ダモーレ、チェロ,マンドリンなどの器楽曲だけでなく、フルート、オーボエ、ファゴット、トランペットなど吹奏楽器のためにも、急一緩-急のテンポによる協奏曲をたくさん作曲している。
ヨハン·セバスチァン·バッハが若い頃、ヴィヴァルディの作品を勉強し、写譜し、そのヴァイオリン協奏曲をチェロやオルガン用に編曲したことも有名な話になっている。ヴィヴァルディがイタリアのバッハと呼ばれる所以がそこにある。

ベーレントとドイツ連邦マンドリンオーケストラ

ジークフリート ·ベーレントはドイツに慧星のようにあらわれたギタリストで、若い頃から神童と呼ばれ、天才と謳われた存在である。クラシックのほかに、フラメンコをよくし、そのレパートリィは前古典から現代に及ぶ幅の広いもので、文字通り多種多彩そして多能多芸な名手である。

自ら作曲もし、編曲も多いが、とりわけ前衛音楽への関心と理解と協力は目立ってい、その演奏はー部から高く評価されている。大の親日家。趣味は魚釣り。ギタリストの中にはマンドリン音楽に対して無関心な人が多いが、その中にあってレントのマンドリン音楽に対する関心は異常といってもいいほどである。

ドイツのザールブリュッケンの放送局に民族音楽のセクションがあり、ギター、マンドリン、チターなどを扱っているのだが、ベーレントはそこの顧問格で、同地のマンドリンオーケストラを十年ほど前から指導し、指揮をしている。そして毎年7~8月の頃レーリンゲンという街に合宿して練習をし、一年分の曲を録音してしまうという仕組みになっている。このオーケストラが主体となって、いわゆるドイツ連邦マンドリンオーケストラが編成されているのである。
もともとマンドリンはイタリアで育った楽器であるし、ロマンチック音楽の時代に育ったので、歯切れのいいスタッカートと繊細なトレモロを身上とし、特色として栄えた音楽であった。それがフランスやスイスやドイツに入り、迎えられた。ドイツでは一時既成の管弦楽に準じた様式で演奏されたが、結局イタリアにならい、しかもドイツ風を加味した様式となり、それがベルリンのコンラッドブエルキのオーケストラに承けつがれている。それに対してベーレントはスタッカートを軸にしたオーケストラを理念とし今日に及んでいる。これはビナッチアによって今日見るようなマンドリンが完成される以前の、古典な様式を本分としているからであろう。これがベーレントのマンドリン音楽に対する理念であるし、ドイツ連邦マンドリン·オーケストラの演奏であるといえる。

曲目解説

·2つのマンドリンと2つのギターとマンドリンオーケストラのための合奏協奏曲ハ長調

独奏者はマンドリンが越智敬とシルビア夫人、ギターがエルフィゲルメジンと佐々木忠、マンドリンオーケストラの指揮はベーレント。曲は次の3楽章から成る。
アレグロー-アンダンテ-アレグロ

マンドリンオーケストラのためのリュート協奏曲
原曲はリュート独奏とヴァイオリンと通奏低音のトリオソナタでベーレントが、マンドリンオーケストラ用に編曲したもの。曲は次の3楽章から成る。
モデラート一ーラルゴーーアレグロ

オーボエとマンドリンオーケストラのための協奏曲ハ長調
ピエール·ファイトを独奏者に迎えてのオーボエ協奏曲で、マンドリンとは対象的なオーボエとの組合せがおもしろく、その対比と調和の中に古雅な楽興が次のテンポで流れる
アレグロ モデラート一ーラルゴ-アレグロ
オーボエ奏者はピエール·ファイト

(B面〕
1·マンドリン独奏とマンドリンオーケストラのための協奏曲ハ長調
ヴィヴァルディのマンドリンをとり入れた曲としては、もっとも有名で、マンドリンの可憐で繊細で明快な響きをじつによく生かしてい、越智敬が爽やかに演奏している。
アレグローーーーラルゴーーーーアレグロ
3楽章のうち、
とくに第2楽章のラルゴが流麗である。

2,ヴィオラ,ダモーレとリュートとマンドリンオーケストラのための協奏曲ニ短調

ヴィオラ·ダモーレはヴァイオリン系楽器で、十弦前後でやや大型、やはり弓で弾いた前古典期のもの。リュートはマンドリンの前型とみられる楽器。次の3楽章から成る、いかにもバロックの趣きをつたえるこの曲のヴィオラ ダモーレはライメル·ペータース、リュートは佐々木忠が好演している。
アレグローーーーラルゴーーーーアレグロ
3.2つのオーボエとマンドリンオーケストラのための協奏曲ハ長調
ピエール·ファイトとディエテルム·ヨナスを独奏者に迎えてのこのオーボエ協奏曲も古雅な優美な音楽である
アレグロ-一ーラルゴーーーアレグロ

Original Recording By, Licensed By, Trademark Registered By
BASF AG., Ludwigshafen West Germany. Manufactured By
TEICHIKU RECORDS CO., LTD. Japan BASF

ULX-3250-B

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