出産立ち会いの日(夫の体験談)①
陣痛らしきものが来たのは丁度日付が変わったばかりのころ。
ベッドで隣に寝ていた奥さんが体を起こしてうなりだす。
出産予定日を過ぎること3日目。
とうとう来た?
どうも、おなかが痛いらしい。
これが陣痛だろうか。
出産初めての奥さんにははっきりとした確信はない。
まして、はたでみてるだけの私には全くわからない。
ただ「陣痛」という言葉で聞いていたような激痛とはまだ違うらしい。
「痛い?」
「痛い」
そうか。
痛いのか。
でもがまんできないような痛みではないらしい。
起きてなにかはげましたりしようか、このまま寝ようか考える。
「何かして欲しいこと有る?」「病院いく?」
と聞いたが、陣痛が5分おきぐらいになったら来てください~、と病院には言われているとのこと。
なんか、陣痛のペースをはかるアプリ(「陣痛きたかも」)をつかってるらしく、今のところ15分おきとかそんなもんらしい。
5分おきになるのが、1時間後か、10時間後か、24時間後か、全く読めないなかで、役立たずが起きてるよりも、いざというときのために体力を温存する方がいいと考えて、寝ることにする。
出産立ち会いっていったって何かできるわけじゃないだろうけど、とにかく5時間も10時間も励まし続けるとか、なにか緊急時に買出しに行くとか、なんか体力が残ってて困ることはないはずだ。
できることをできるときにするためにも、できることがないときは何もしないのも大切。
奥さん、ごめん。
なにかあったら起こしてと伝える。
翌朝8時半、目覚める。
奥さんが前の日と同じような格好でうなってる。
「痛い?」
「痛い」
「寝た?」
「寝てない」
うーん。
痛くて寝てないなら、起こしてくれたってよかったのに。
気丈な奥さんだなぁと思う。
「陣痛きたかも」によると10分おきぐらいとのこと。
とりあえず、今日予約してる病院のマタニティヨガ教室にキャンセルの電話を入れるという。
まあ、そりゃそうだ。
叫んだりはしないけど、痛いときは痛いらしく、ヨガどころではなさそう。
自分で病院に電話してる。
まだ元気なんだなと思う。
すみません~、なんか陣痛きてるみたいなので予約してたヨガ教室キャンセルさせて頂きます~、って。
なんか変な感じ。
じゃあ、むしろ病院来れば?
ってならないもんか。
と思って聞いていたら、もう陣痛10分おきなら来ていいですよと言われたらしい。
半信半疑のまま。
お義母さんの運転で病院へ向かう。
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